会議室を撮影スタジオにする方法
目次
近頃、社内に自社スタジオを導入する企業が増えています。
テレワークの推進などで、使われなくなった会議室等をリノベーションする例もよく耳にします。
これを聞いて、「大がかりな工事や、莫大な費用がかかるんでしょ?」と思う方も多いかもしれません。しかし、最近は家庭用AV機器の質が上がり、映像制作やライブ配信が一般化したことで、スタジオは導入しやすい社内設備のひとつになっているのです。
今回は、今どうして動画撮影スタジオが注目されているのか。
そしてそんな撮影スタジオの作り方を解説します。
1.社内スタジオを作る意義
企業が社内スタジオを持つようになった最大の理由は、“映像コンテンツ制作及び発信の内製化”であるといえます。 映像制作の内製化には、次のようなメリットがあります。
①コスト削減
映像制作には主に3つのコストがかかります。場所・機材・人件費です。
外注する場合、撮影場所を確保し、機材や技術スタッフを手配しなければなりません。そしてこれらのコストが撮影の度に発生します。
社内スタジオの場合、設備の導入の初期投資は必要ですが、2回目移行は場所と機材のコストを気にすることなくフレキシブルに撮影に臨むことができます。
②コンテンツの一貫性
映像制作を外部委託する場合、毎回同じ撮影場所とスタッフを確保できるとは限りません。
社内スタジオを利用することで、映像のテイストに一貫性を持たせることができます。
企業が発信するコンテンツに一貫性を持たせることは、ブランディングにも直接的に影響します。
2.撮影・配信スタジオに必要な機材
スタジオにできそうな空間を決めたら、機材を導入します。
制作したいコンテンツや、スタジオの規模によって必要な機材は多少変わりますが、以下のラインナップが基本となります。
☆映像システム
1.ビデオカメラ
2.スイッチャー
3.キャプチャーデバイス
☆音響システム
4.マイク
5.ミキサー
6.オーディオインターフェース
☆その他
7.パソコン
8.照明
9.グリーンバック
①ビデオカメラ
業務用から家庭用まで様々なカメラがありますが、社内に専門家がいなければ家庭用が良いでしょう。家庭用カメラは、知識のない人でも手軽に高品質の映像が撮れるように、自動調整機能が充実しています。
カメラを選ぶ際はフルHD以上のものがお勧めです。
また、ウェビナー等トーク主体のコンテンツを撮影する場合は、三脚も欠かせません。
ビデオカメラについてはコチラでさらに詳しく解説しています↓
②スイッチャー
スイッチャーは、映像に演出や展開をつけてくれます。
例えば、カメラで撮影している映像の他に見せたい資料や映像があるとき、スイッチャーに読み込ませることで、複数の映像を切り替えることが可能になります。
また、スイッチャーがあれば、お手持ちのスマホを2カメ、3カメとして使用することもできます。
③キャプチャーデバイス
カメラで撮影した映像を、リアルタイムでパソコンに取り込むための機材です。
ライブ配信をする場合には必須のアイテムと言えるでしょう。
また、ゲームのプレイ画面等をキャプチャすることもできます。
④マイク
音声のクオリティも、映像コンテンツの制作にはとても重要です。カメラの内蔵マイクを利用することはできますが、別途マイクを用意する方が効果的です。
マイクのタイプも様々で、ハンドマイク、ピンマイク、ヘッドセット、有線・無線などがあります。
⑤ミキサー
音量バランスを整える機材です。
マイクの声、BGM用の外部音源などをミキサーに集め、適切な音量に調整して出力します。
⑥オーディオインターフェース
ミキサーで調整した音声をパソコンに取り込む機材です。
マイクや楽器の音を直接入力することもできます。
オーディオインターフェースについては、こちらで詳しく解説しています!
⑦パソコン
映像と音声を最終的にパソコンに集約して、編集や配信をします。
映像や音声の取り扱いは、パソコンに大きな負荷をかけるため、ある程度高性能なパソコンが必要です。
注目すべきはCPUとメモリです。CPUはCore i5以上、メモリは8GB以上のものを選ぶと良いでしょう。
⑧照明
ないと撮影出来ないというわけではありませんが、対外発信する映像コンテンツには欠かせないのが照明です。
被写体の持つ凹凸によって生じる影を軽減することで、見やすい映像になります。
⑨グリーンバック
こちらも必須ではありませんが、近頃のウェビナー配信等には、このグリーンバックを使ったクロマキー合成という技法がよく使われます。
バーチャルスタジオや資料等を合成することで、テレビ番組のような演出が可能になります。
3.撮影・配信スタジオでチェックすべきこと
スタジオを構築する上で重要なのは、実は機材だけではありません。
電源を確保できるか
前項で紹介した機材の中には、消費電力の大きな機材が多々あります。
導入する機材の消費電力を上回る電気容量を、スタジオに供給できるのか事前に確認しておきましょう。
インターネット回線
ネット回線は配信を想定してスタジオを作る場合、必須の項目となります。
通信環境の善し悪しは、ライブ配信の質そのものと言えます。どんなに台本や演出に凝ったとしても、ネット回線が貧弱だと画質や音質が低下、最悪の場合配信が途切れてしまいます。モバイルWi-Fiや4G回線の使用は避け、できれば有線LANの使用が望ましいです。
広さ
スタジオに必要な部屋の広さは、コンテンツや機材のスペックによって大きく変わるので、一概には言えませんが、撮影スペースとは別に、カメラを設置するスペース、オペレーションスペースが確保できるかどうかを確認しておくと良いでしょう。
社内スタジオ構築の事例はコチラ↓
4.まとめ
今回は社内スタジオを作る意義と、必要な機材や設備について解説しました。
一般的になりつつある社内スタジオですが、いざ導入となると、準備や調べなくてはいけないことが意外とたくさんありますね。
特にAV機器や電気の知識は、あまり馴染みがなく、よく分からないという方も多いのではないでしょうか?
AZAコーポレーションが提供するAVシステム販売サービスは、事前の下見やヒアリングを丁寧に行い、お客様のご要望や環境に適したコーディネートをさせていただきます。
ご質問からでも結構ですので、お気軽にお問合せ下さい!
また、今回紹介した機材の一部は、レンタルも承っております。
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