有機ELテレビとは?!有機ELテレビのメリットデメリットを解説

有機ELテレビは、その圧倒的な高画質と薄型デザインで、注目の的になっています。多くの場合、その良い点のみが注目されますが、デメリットはないのでしょうか?

そこでこの記事では、有機ELテレビの特徴、液晶テレビとの比較を通じて、有機ELテレビのメリットとデメリットを解説します。また、よく広告などで見かける4Kテレビとの違いについても解説します。

有機ELテレビとはどんなテレビか

有機ELテレビの仕組み

有機ELテレビは、「有機物を使用した自然光方式のテレビ」です。

有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)技術を用いており、特定の有機物が電圧を受けることで電気エネルギーを光エネルギーに変換して自ら発光します。これにより、色の再現性が高まり、電圧を流す素材を選択することでRGBの三原色を表現してディスプレイに映し出します。この技術を利用することで、従来の液晶テレビよりも鮮やかで美しい映像が実現可能です。

有機ELテレビの特徴

有機ELテレビには以下のような特徴があります

 ・視野角が広い:斜めの方向から観ても映像の変化が少なく、どの角度からでも高品質な映像を楽しめます。

・薄型設計:バックライトが不要なため非常に薄型設計可能で、スリムでスタイリッシュな製品が多い特徴があります。

・高コントラスト:完全な黒を実現できるためコントラストが非常に高く、鮮明な映像を映し出すことが可能です。

・自然な色合い:自発光型の有機ELはバックライトの影響を受けず、RGBの色を適切にコントロールできるため、自然で美しい色合いを再現可能です。

有機ELテレビは、映像の質や薄型デザインにこだわる人に非常に人気があります。さらに技術の進歩により、曲がるディスプレイや透過型ディスプレイも実現可能となり、未来のディスプレイとして期待の的です。さらに、これらの特性を活かし、テレビやスマートフォンだけでなく、デジタルサイネージ(電子画像広告板)や折りたたみ可能な携帯ディスプレイなど、多岐にわたる応用も見込まれています。

有機ELテレビのメリット・デメリット

有機ELテレビはその優れた画質と薄型デザインから高い人気を誇りますが、メリットとデメリットの両面があります。ここでは、それぞれのポイントを詳しく解説します。

メリット

・高コントラストと広色域:有機ELテレビは、鮮やかな色彩と引き締まった黒を実現可能です。映画や自然系ドキュメンタリーの視聴に最適で、映像がよりリアルに感じられます。

・広い視野角:斜めから観ても映像の色や明るさがほとんど変わらないため、リビングなど広い空間での視聴にも適しています。どの位置からでも美しい映像を楽しむことができます。

・薄型&軽量設計:バックライトが不要なため、非常に薄く軽いデザインが可能です。これにより、スタイリッシュで設置が簡単なテレビが多くなっています。

デメリット

・最高輝度の低さ:有機ELテレビは液晶テレビに比べて最高輝度が低く、直射日光が当たる場所では見づらくなることがあります。

・高価格:有機ELテレビは液晶テレビに比べて価格が高い傾向にあります。

・焼き付きのリスク:長時間同じ画面を表示し続けると、画面が焼き付くリスクがあります。これは特に静止画像を表示する際に注意が必要です。

・寿命の短さ:有機ELテレビの寿命は約3万時間とされており、液晶テレビの約6万時間に比べて短い傾向にあります。

・サイズ展開の少なさ:有機ELテレビのラインナップは限られており、現状最小サイズが42インチです。これにより、部屋の大きさや用途に応じた選択が難しい場合があります。

有機ELテレビ、液晶テレビ、4Kテレビの違い

テレビの呼び方として主に、「有機ELテレビ」、「液晶テレビ」、「4Kテレビ」がありますが、「有機ELテレビ」と「液晶テレビ」は仕組みによる違いがあり、「4Kテレビ」は解像度を示しています。

つまり、

 ・有機ELテレビ:有機物が自ら発光する現象を利用する自発光方式

 ・液晶テレビ:バックライトから放たれる光で画面の明るさ調整をするバックライト方式

また現在主要なテレビの解像度には、「フルHD(1920×1080)」、「4K(3840×2160)」「8K(7680×4320)」の3種類があり、現在は4Kが主流となっています。(4K液晶テレビや4K有機ELテレビ、と表記されている「4K」がこの解像度に当たります。)それぞれの解像度に対応した有機ELテレビと液晶テレビが存在しますが、フルHDは4K・8Kに比べて画質が劣り、8Kは対応したチャンネルやストリーミングサービスがまだそれほど多くないので、現状では4Kテレビがおすすめです。

有機ELテレビと液晶テレビの比較

ここでは有機ELテレビと液晶テレビの、各項目での比較を紹介します。

高画質で薄型&軽量の有機ELテレビですが、従来の液晶テレビに比べて劣っている点もいくつかありますので、参考にしてください。

また現在主要なテレビの解像度には、「フルHD(1920×1080)」、「4K(3840×2160)」「8K(7680×4320)」の3種類があり、現在は4Kが主流となっています。(4K液晶テレビや4K有機ELテレビ、と表記されている「4K」がこの解像度に当たります。)それぞれの解像度に対応した有機ELテレビと液晶テレビが存在しますが、フルHDは4K・8Kに比べて画質が劣り、8Kは対応したチャンネルやストリーミングサービスがまだそれほど多くないので、現状では4Kテレビがおすすめです。

 有機ELテレビ液晶テレビ
画質優れた画質。 完全な黒を表現可能で色の再現性にも優れている有機ELテレビには劣る。 バックライトに依存し、コントラスト比は低い
方式自発光方式バックライト方式
重さ薄型化、軽量化されている。バックライトがある分重くなりやすい傾向。
利便性壁掛けなどの設置方法のバリエーションが豊富サイズ展開が多く、視聴環境に対応しやすい
価格帯価格は高め価格は低め
優れているところ高画質 広い視野角 目が疲れにくい価格の安さ 電気代を抑えられる
苦手なところ価格が高い サイズ展開少 消費電力大画質が有機ELテレビに比べて劣る
オフィス利用でお勧め度重要顧客とのプレゼン用におすすめ普段使いのディスプレイ用におすすめ

いまおすすめしたい有機ELテレビ5選

ここではいまおすすめの有機ELテレビ5選を紹介します。

現在の有機ELテレビは4K解像度(3840×2160)のモデルが主流で、紹介する5つも4K解像度のモデルとなっています。

パナソニック VIERA TH-55MZ1800 [55インチ]

引用:4K有機ELテレビ TH-55MZ1800 商品概要 | テレビ/シアター | Panasonic

おすすめポイント

・高輝度有機ELパネルの高コントラスト映像

・イネーブルドスピーカー搭載「360立体音響サウンドシステム」

・地震に強く倒れにくい「転倒防止スタンド」搭載

パナソニックのVIERA TH-55MZ1800は、高画質で臨場感のある4K有機ELテレビです。

高輝度有機ELパネルにより、上位モデルに匹敵する高コントラストと鮮やかな色彩を実現しています。360立体音響サウンドシステムを搭載し、臨場感のある音響体験が可能です。また、転倒防止スタンドを備えており、地震にも強い設計となっています。

さらに、HDR10、HDR10+、HLG、ドルビービジョンに対応し、さまざまなHDRコンテンツを美しく再生できます。Wi-FiやBluetoothに対応しているので、音声操作も可能で、スマートスピーカーとの連携も可能です。

画素数3840×2160
外形寸法(スタンド含)幅1227mm、高さ765mm、奥行303mm
重量(スタンド含)21.0kg
チューナー数地上デジタルx3 BSデジタルx3 110度CSデジタルx3 BS4K/110度CS4Kx2
スピーカー数イネーブルドスピーカーx2 フルレンジx2 ウーハーx1
端子HDMIx4 USBx3 ビデオ入力x1 光デジタル音声出力x1 LANx1 イヤホンx1
年間消費電力167kWh/年

SONY BRAVIA XRJ-55A80L [55インチ]

引用:A80Lシリーズ | テレビ ブラビア | ソニー (sony.jp)

おすすめポイント

・映画館で感じるような豊かな臨場感

・究極の没入感

・高コントラストな映像

SONYのBRAVIA XRJ-55A80Lは、一体となった映像と音を楽しめる4K有機ELテレビです。

認知特性プロセッサー「XR」は、映像と音の信号処理を行い、自然な美しさと音の臨場感によって、究極の没入感を実現しています。アコースティック サーフェス オーディオ プラス技術で画面自体を振動させ、音と映像を一体化することで、映画館で感じるような豊かな臨場感を体感することが可能です。

また、SONY PICTURES COREで最新映画を高品質で楽しめ、Google TV機能も搭載しています。さらに、PlayStation®5との連携機能でゲームの没入体験も強化されています。

画素数3840×2160
外形寸法(スタンド含)幅1227mm、高さ738mm、奥行327mm
重量(スタンド含)18.8kg
チューナー数地上x3 BS・110度CSx3 BS4K・110度CS4Kx3
スピーカー数アクチュエーターx3 サブウーファーx2
端子HDMIx4 USBx2 ビデオ入力x1 光デジタル音声出力x1 LANx1 イヤホンx1
年間消費電力187kWh/年

シャープ AQUOS OLED 4T-C55EQ1 [55インチ]

引用:AQUOS OLED EQ1/EQ2ライン | テレビ:シャープ (jp.sharp)

おすすめポイント

・AI高画質プロセッサー搭載の画像処理エンジン「Medalist S3」

・音を前方に導き聞き取りやすい高音質設計

・ネット動画クリア補正

シャープ AQUOS OLED 4T-C55EQ1は、AI高画質で前向きサウンドの4K有機ELテレビです。

AI高画質プロセッサー搭載の画像処理エンジン「Medalist S3」により、色彩や明暗、精細感を自動調整し、より臨場感のある映像を提供します。FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUSは、スピーカーネットのないリフレクター構造で、音声をより効率的にテレビ前方へ導き、クリアな音質で聞き取りやすさを実現しています。

また、Google TVを搭載し、アプリやサブスクリプションから映画や番組を簡単に整理可能です。さらに回転式スタンドにより、視聴環境に合わせてテレビの向きを調整でき、どの位置からでも最適な視野を確保できます。

画素数3840×2160
外形寸法(スタンド含)幅1227mm、高さ770mm、奥行263mm
重量(スタンド含)24.5kg
チューナー数地上x3 BS・110度CSx3 BS4K・110度CS4Kx2
スピーカー数ツィーターx2 フルレンジx4
端子HDMIx4 USBx2 ビデオ入力x1 光デジタル音声出力x1 LANx1 イヤホンx1
年間消費電力175kWh/年

TVS REGZA REGZA 55X8900L [55インチ]

引用:X8900L 商品詳細|REGZA<レグザ>TOSHIBA(東芝)

おすすめポイント

・高画質と快適な操作性を兼ね備えた「REGZA ENGINE ZRII」

・クリアな高音から重低音まで、臨場感豊かなサウンド

・角度調整可能な回転式スタンド

TVS REGZAのREGZA 55X8900Lは、迫力のサウンドと美しい映像が特長の4K有機ELテレビです。

高画質と快適な操作性を実現する「レグザエンジンZRII」により、4K放送やネット動画を高精細で楽しめます。美肌フェイストーンZRIIは自然な人肌の質感を再現し、高コントラスト低反射有機ELパネルが豊かな色彩を提供します。クリアな高域再生とパワフルな低音再生を実現し、音域のつながりを向上させる高遮断クロスオーバーフィルターに加え、立体音響技術「Dolby Atmos®(ドルビーアトモス)」にも対応しており、映画館のように立体的で迫力のあるサウンドを楽しむことが可能です。

また、省エネ設計、高速レスポンスでのゲーム対応、スィーベル機能と省スペース設計で利便性も高く、最新のデバイスに対応するHDMI端子(HDCP2.1)、便利な録画・再生機能、スマート機能も充実しています。

画素数3840×2160
外形寸法(スタンド含)幅1226mm、高さ742mm、奥行237mm
重量(スタンド含)23.0kg
チューナー数地上x3 BS・110度CSx3 BS4K・110度CS4Kx2
スピーカー数ツィーターx2 フルレンジx4
端子HDMIx4 USBx2 ビデオ入力x1 光デジタル音声出力x1 LANx1 イヤホンx1
年間消費電力180kWh/年

LG OLED42C2PJA [42インチ]

引用:LG 42V型 4K有機ELテレビ OLED42C2PJA | LGエレクトロニクス・ジャパン | LG JP

おすすめポイント

・ブルーライトが少なく目に優しい LG OLED

・製作者の意図通りの原画質をそのまま再現するFILMMAKER MODE

・臨場感あふれるバーチャル7.1.2chサウンドに変換するAIサウンドプロ

LGのOLED42C2PJAは、あらゆる映像を高精細に映し出す、目に優しい4K有機ELテレビです。

「完全な黒」を表現できるパネルに加え、映像エンジンα9 Gen5 AI Processor 4Kが鮮やかで高精度な色彩を実現します。ブライトネスブースターにより映像の明るさが強化され、AI映像機能がコンテンツを自動認識して最適な画像処理を行います。倍速パネルでスポーツ観戦やゲームプレイも快適です。

また、HDMI 2.1ポートが4つあり、次世代ゲーム機にも対応しています。webOS 22でアプリのダウンロードが可能で、地デジ・BS・CSデジタルチューナーを3つ搭載し、2番組同時録画も可能です。

画素数3840×2160
外形寸法(スタンド含)幅932mm、高さ577mm、奥行170mm
重量(スタンド含)10.1kg
チューナー数地上x3 BS・110度CSx3 BS4K・110度CS4Kx2
スピーカー数フルレンジx2
端子HDMIx4 USBx3 光デジタル音声出力x1 LANx1 イヤホンx1
年間消費電力143kWh/年

まとめ

この記事では、有機ELテレビの特徴、液晶テレビや4Kテレビとの比較を通じて、有機ELテレビのメリットとデメリットを解説しました。

有機ELテレビのメリット・デメリットは、以下のような項目が挙げられます。

メリット

・高コントラストと広色域

・広い視野角

・薄型&軽量設計

デメリット

・最高輝度の低さ

・高価格

・焼き付きのリスク

・寿命の短さ

・サイズ展開の少なさ

有機ELテレビは、テレビやスマートフォンだけでなく、デジタルサイネージ(電子画像広告板)や折りたたみ可能な携帯ディスプレイなど、さまざまな応用も見込まれている期待の技術です。今後もその技術の進歩に注目していきましょう。