【用途別】ライブ配信用ビデオカメラの選び方
目次
ビデオカメラはウェビナーをはじめとする配信イベントのクオリティを大きく左右します。配信で使用するカメラを選ぶ際は、「どのような用途で使用するのか」と「どれくらいのクオリティで撮るか」を軸に考えていくと良いでしょう。
今回はライブ配信に最適なカメラの選び方を詳しく解説し、代表的なモデルを紹介していきます。
1. ライブ配信用のカメラを選ぶときの注意点
ライブ配信においてカメラに求められるのは
- 長時間安定して撮影できること
- 撮影した映像をリアルタイムで出力できること
です。
1に対応するには、AC給電のモデルを選ぶ必要があります。配信中にカメラの電源が落ちてしまうことのないよう、ACアダプタで給電しながら撮影する場合がほとんどです。
2はカメラの出力端子をチェックしてみましょう。配信の場合、カメラで撮影した映像を最終的にパソコンに取り込む必要があります。ですのでHDMI出力端子が付いているモデルを選ぶと良いでしょう。
2. 用途によって最適なカメラを選ぶ
①WEB会議に適したカメラ
WEB会議には、取り回しが簡単で接続もシンプルなものが適しています。リモートワークが普及し、様々なモデルが各社から発売されており、選択肢も豊富です。
WEBカメラ(ロジクール Brio 4Kウェブカメラ)
https://www.logicool.co.jp/ja-jp/products/webcams/brio-4k-hdr-webcam.960-001212.html
ZOOM等の会議ツールに映るビデオ映像の質を上げるのがこのWEBカメラです。パソコンに取り付けてUSB接続するだけで使用できる手軽さが特徴です。
テレビ電話に特化しているカメラなので、ほとんどのモデルはマイクを内蔵しています。また、人の顔を明瞭に映すための自動調節機能が充実しています。
給電については、バスパワー(パソコンにUSB接続することで給電)駆動のモデルがほとんどです。
このロジクールBrio 4Kウェブカメラは、logicool社製ビジネスウェブカメラの中でも最高峰のモデルです。解像度は4K、1080p、720pから選択でき、オートフォーカスと5倍HDズーム機能搭載で、快適なWEB会議を実現します。
ビデオ会議システム(ロジクール MEETUP)
ディスプレイモニターと併せてWEB会議室で使用するのに最適なカメラです。
このタイプのカメラはモニターの下部に設置して使用します。マイクも一体型となっており、接続や操作がシンプルで会議への集中を妨げる煩わしい設定は必要ありません。
ロジクールのビデオ会議システムの代表モデルであるMEETUPは、超広角レンズ・4Kカメラと自動調整機能で室内の人物を全員フレーム内に収めてくれます。
本体が大変スタイリッシュで、室内空間の景観に馴染むところもメリットです。
Panasonic 360度カメラスピーカーフォン PressIT360
PanasonicのPressIT360は、360度カメラとスピーカーフォンを一体化した革新的な製品です。
会議やグループコラボレーションを円滑に進めるために設計されており、会議室全体の視野をカバーし、高音質な音声通信を提供します。直感的な操作で誰でも使いやすく、リモートワークやデジタル会議に最適です。
また、高度なセキュリティ機能を備えており、プライバシーの保護も確保します。この製品は、柔軟性と拡張性を兼ね備え、多様なビジネス環境に対応します。
Logicool GROUP
Logicool GROUPは、ビデオ会議やチームコラボレーションを強化するためのオールインワンのコンファレンスカメラシステムです。
高品質なビデオと音声を提供し、会議参加者全員がクリアに見えるように設計されています。広い視野角とリモートパン・チルト・ズーム機能により、会議室全体をカバーし、自然なコミュニケーションを可能にします。
操作もシンプルで、USB接続で各種デバイスと簡単に接続できます。小規模から中規模の会議室まで対応し、柔軟性と使いやすさを兼ね備えています。
IO DATA USB-AIOC1
https://www.iodata.jp/product/pc/pc/usb-aioc1/
IO DATAのUSB-AIOC1は、コンパクトながら高性能なUSB接続のオールインワンカメラです。ビデオ会議やリモートワークに最適で、広角のレンズと高解像度センサーにより、クリアで鮮明な映像を提供します。自動フォーカス機能があり、動きのあるシーンでも映像が安定します。
また、内蔵のマイクとスピーカーで音声通話も可能です。USB接続でパソコンやタブレットに直接接続し、ドライバ不要で簡単に設置できます。ビジネス用途だけでなく、家庭内のオンラインミーティングにも利用できます。
②社内スタジオに適したカメラ
最近はウェビナー配信等を内製化するために、自社スタジオを構築するという企業が増えています。
スタジオ設備を導入するにあたって、社内にカメラや映像の知識を持つ人がいなければ、家電量販店などでも手に入る「民生用」と呼ばれるカメラを選ぶことをおすすめします。4K・フルHDの高画質、自動調整機能を持ちながら10万円前後で手に入るモデルがたくさんあります。
比較的安価なので複数台導入し、1台は正面、1台は横からといったようにカット割りを作ることもできます。
SONY ビデオカメラ FDR-AX45
https://www.sony.jp/handycam/products/FDR-AX45/
社内スタジオに導入するカメラとして最もポピュラーなのがハンディタイプです。
SONYのFDR-AX45はレンズとセンサーが一体になっており、ズームや動きがある映像でも手ブレを抑えて安定した映像が撮影できます。そのためプロの配信現場でも使われています。
また、HDMIマイクロコネクターとマルチ/マイクロUSB端子を完備しており、接続性も申し分ありません。
価格も約10万円と比較的安価に設定されているので、初めてのビデオカメラ導入にも適したモデルです。
Panasonic 4Kインテグレーテッドカメラ
https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services/proav_remote-camera-system/lineup/aw-ue80
Panasonicの4Kインテグレーテッドカメラは、高解像度の映像を提供するオールインワンカメラです。コンパクトなデザインで、設置が簡単でありながら、広角からテレフォトまで幅広い撮影ニーズに対応します。
特に会議室や小規模なスタジオなどで活用され、鮮明で詳細な映像をリアルタイムで伝送します。自動追尾機能やノイズ低減機能が搭載されており、安定した映像品質を保ちます。
また、多様な接続オプションを備え、さまざまなデバイスとの連携が容易です。プロフェッショナルなビデオ制作からビジネスミーティングまで幅広く対応し、高い利便性と品質を提供します。
SONY デジタル4Kビデオカメラレコーダー FDR-AX60
https://www.sony.jp/handycam/products/FDR-AX60/
SONYのデジタル4Kビデオカメラレコーダー FDR-AX60は、高解像度の4K映像と高性能な光学ズームを備えたカメラです。
手ブレ補正機能があり、安定した撮影が可能です。ハイビジョンでも撮影でき、細部まで鮮明に表現します。タッチパネル式の操作が直感的で、使いやすいインターフェースです。内蔵マイクでクリアな音声録音が可能で、プロのビデオ制作や家庭用途にも適しています。
さらに、Wi-FiやNFCを使ってスマートフォンとの連携も可能です。
SONY PTZオートフレーミングカメラ BRC-AM7
https://www.sony.jp/remote-camera/products/BRC-AM7/
SONYのPTZオートフレーミングカメラ BRC-AM7は、自動追尾機能を搭載したパン・チルト・ズームカメラです。
高性能なオートフレーミング技術により、話者や参加者を自動で認識し、最適なフレーミングで映像を提供します。4K対応で細部まで鮮明な映像を収録し、広い視野角をカバーします。コンパクトでスマートなデザインで、設置が容易です。
リモート操作やプリセット機能により、会議やイベントの撮影が効率的に行えます。多彩な接続オプションを備え、他のシステムとの連携もスムーズです。プロフェッショナルなビデオ制作からライブストリーミングまで、多岐にわたる用途に対応します。
③より本格的な配信に適したカメラ
ライブ配信と有観客のハイブリッドイベントを開催するような大規模な撮影には、業務用カメラが適しています。
ここまで紹介してきた一般向けカメラと大きく異なるのは、あらゆる設定をマニュアルで操作できる点です。業務用カメラは、現場のあらゆる環境に柔軟に対応できるように細かい設定項目が設けられています。
ただしこのクラスのカメラの性能を引き出すためには、経験と知識が豊富なカメラマンが必要です。
SONY XDCAMメモリーカムコーダー PXW-Z90
https://www.sony.jp/xdcam/products/PXW-Z90/
プロ仕様のビデオカメラにも定評のあるSONYのXDCAMシリーズ。
そのうちのひとつであるPXW-Z90は、小柄ながらマニュアル操作に必要なボタンやダイヤルが充実しています。視覚で捉えたイメージに近い輝度、コントラスト、色彩を表現する4K HDR対応に加え、高速性と追従性に優れたオートフォーカスを搭載しており、動きのある被写体も正確に捉えます。
さらにこのカメラは、Wi-Fi等のネットワークに接続することで主要なライブストリーミングサービスや動画共有サイトにライブ配信ができます。
SONY XDCAMメモリーカムコーダー PXW-Z280
https://www.sony.jp/xdcam/products/PXW-Z280/
SONYのXDCAMメモリーカムコーダー PXW-Z280は、プロフェッショナル向けの高性能ビデオカメラです。
3つのCMOSセンサーと12倍の光学ズームを備え、4K解像度で精細な映像を記録します。高感度で低ノイズの映像処理が可能で、暗い場面でも明るく鮮明に撮影します。高度な手ブレ補正と自動フォーカス機能が付いており、安定した撮影が期待できます。
また、デュアルレコーディング機能により、同時に複数のフォーマットで記録できます。Wi-FiやNFCも搭載し、リモートコントロールやファイル転送が容易です。幅広いプロフェッショナルな撮影ニーズに対応し、高品質な映像制作を実現します。
Canon 業務用デジタルビデオカメラ XA75
https://canon.jp/business/solution/pro-img-sys/prodv/lineup/xa75-xa70
Canonの業務用デジタルビデオカメラXA75は、高品質なビデオ撮影を目的としたコンパクトなカメラです。
1.0型CMOSセンサーと12倍光学ズームレンズを搭載し、広角からテレフォトまで幅広い撮影が可能です。4K UHD解像度での撮影ができ、細部まで鮮明に表現します。
また、デュアルSDカードスロットにより同時録画が可能で、データの冗長性を確保します。自動フォーカスや光学式手ブレ補正などの機能があり、安定した映像を撮影できます。
さらに、Wi-FiやEthernet接続をサポートし、リモート制御やファイル転送が容易です。ビデオ制作やライブストリーミング、法人向けのイベント撮影などに最適な、信頼性と高性能を兼ね備えたカメラです。
3. 周辺機器について
①キャプチャーボード
カメラから送られた映像信号を配信用の信号に変換して、パソコンに送る機材です。カメラと並んでライブ配信には必須のアイテムです。
②カメラ三脚
カメラを固定するための機材です。こちらはないと配信できないというわけではありませんが、視聴者にクオリティの高い映像を届けるためには必須の機材と言えるでしょう。
三脚は脚の長さ上限がものによってかなり違います。また安定性の高いしっかりとしたフレームであるかも作業を行う上で、選定理由として含みたいところです。
4. まとめ
今回はライブ配信用カメラの選び方と、その代表機種を紹介しました。
パソコンに取り付けるだけで使えるシンプルなものから、プロフェッショナルな業務用のものまで紹介してきましたが、初めてライブ配信設備の導入を考えている方には、10万円前後のハンディタイプのカメラがおすすめです。民生用カメラでも最近のモデルは誰でも手軽に高画質の映像が撮れるような機能が充実しています。機材を揃えて是非ライブ配信に挑戦してみてください。
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