失敗しない音響設備工事の依頼の仕方

音響設備を導入したい方にとって重要なのは音響設備工事業者選びです。

音響設備にはさまざまな種類やメーカーがあります。

工事業者にはそれぞれ得意分野、得意なメーカーがあり、業者の下調べが重要となってきますが、音響工事業者の情報があまりにも少ないのが現実です。

情報があまりにも少ない特殊な業界「音響設備工事業者」の選び方について解説していきますので参考にしてください。

そもそも音響設備とは何か

音響設備は、音を変換や編集したものを録音や再生するための設備で、音響設備は生活のあらゆる場面で触れることができます。一日外を歩いていて音響に触れないことはほとんどないと思います。

例えば、スーパーのBGM、駅のホーム、学校などBGMが使われている環境では音響設備が使用されています。

音響設備はさまざまな機器によって構成されている場合が多く、主に機器構成として使用されるものを次項で説明していきます。

音響の設備となるアイテム紹介

そこで、音響設備というのはどういった設備なのか?具体的に紹介していきます。

店舗や施設でBGMやアナウンスを流すためには、さまざまな音響設備を組み合わせなければいけません。ここでは、基本的な組み合わせに使用される音響機器を紹介していきます。

スピーカー

音響と言えば最初に思いつくのはスピーカーではないでしょうか。

スピーカーは、電気信号を音に変換する装置のことです。音楽やスピーチを聞くために必要な装置で、テレビ、ラジオ、パソコン、携帯電話などさまざまな機器に組み込まれています。

フルレンジスピーカーや、PAスピーカー、サブウーファーなど利用されるシチュエーションで最適なスピーカーが変わってきます。

ミキサー

単純に音を混ぜるだけではなく、音源をまとめて、調整・加工するための機器です。

音声信号の処理の仕方がでアナログミキサーやデジタルミキサー、それぞれに分かれます。多くのエンジニアはアナログ機器の温かみのある音質を好む傾向にあります。

アナログは小規模、デジタルは大規模な施設への利用が多いです。

アンプ

アンプは、音を増幅することができる音響機器です。

マイクや楽器から直接出てきた音はとても小さいためです。

そこでアンプを通して音を増幅させることで、聞きやすい音のレベルまで上げることができます。

マイク

マイクは、音響設備と聞いて思い浮かぶ代表的な機材の一つではないでしょうか?

マイクの役割は、人の声や楽器の音、環境音を拾い電気信号に変えることです。電気信号は、ミキサー、アンプを経由してスピーカーから音として出力されていきます。

マイクの種類はダイナミックマイクとコンデンサーマイクに大別されます。

ダイナミックマイクは音の振動を電気信号に変えることができ、耐久性が高く、ライブ演奏やスピーチに適しています。

コンデンサーマイクは、高い感度で音を拾うことができるマイクです。低音から高音、小さな音や大きな音まで幅広い音に対して対応することができます。より鮮明な音を追求するスタジオ録音や細かい音の表現にはコンデンサーマイクをおすすめします。

音響設備工事とはどんな工事なのか?

音響設備工事とは、建物や空間に音響機器を設置して、音の再生や拡声、録音などを可能にするための工事のことです。

音は人に吸収されてしまうため、主に音響工事が必要となる大きな広場やホール、映画館、公共施設等ではうまく音を伝えるための工夫がいろいろとされています。

どのような会場(施設)なのか、どのぐらいの規模なのか、どのように音を届けたいのか等を考慮して機材選定、機材設置位置、配線等を設計して工事されます。

音響設備工事の流れ

ここで音響設備が必要とされてから設備を導入するまでにはどのような手順が行われるのか音響設備工事の作業の流れをご紹介します。

現場の調査

まず初めに音響設備工事業者は現場の調査を行います。

これは音響機器を適切に配置するための重要なステップであり、設置場所の音響特性や寸法、用途を確認する作業です。例えば、ホールであれば、音がどのように響くか、どのエリアにスピーカーを設置するべきかを調べます。

音響システム設計

調査結果を基に音響設備の設計を行います。

設計では、どのような機器をどこに設置するかを計画します。これには、スピーカーの配置、ミキサーの位置、ケーブルのルートなどが含まれます。設計が完了したら、予算や用途に合わせて必要な音響機器を選定します。

機器の設置

機器が選定されたら、それらを設置するための準備を行います。ここでは、必要な機器やケーブル、取り付け金具などを準備し、工事の計画を立てます。

そして、実際の設置工事が始まります。設置工事では、まずスピーカーやマイクなどの音響機器を設置し、次にそれらをミキサーやアンプに接続します。

配線作業も重要で、ケーブルを適切に敷設し、見た目にも配慮して整理します。

動作確認

設置が完了したら、システムの動作確認を行います。すべての機器が正しく動作しているか、音が適切に出ているかをチェックします。
この過程では、必要に応じて音質の調整や機器の設定を行います。例えば、マイクの音量バランスやスピーカーの位置を微調整することがあります。

工事が完了したら、使用方法の説明が行われます。これは、実際に機器を操作する人々がシステムを正しく使えるようにするためです。説明が終わったら、音響設備工事は完了となります。

音響設備工事の費用

ここでは、音響設備工事の費用の相場を解説していきます。まず最初に工事費用について説明していきます。

基本的な配線工事費は約2万円〜5万円程度です。

続いて、アンプなど機器設置費用は約3万円〜5万円ぐらいになります。

このほかに特殊工事、つまり壁や天井の加工、高所作業等を伴うと加算されます。

そして工事費用の他に、音響設備の機器費用が掛かります。実施したいことにより機器のグレードや設備内容に左右されるため大幅に変わってきます。

工事費用と機器費用を合わせると約30万円〜200万円ぐらいは見ておいたほうがよいでしょう。この金額はあくまでも相場ですので、契約する音響設備業者に確認しましょう。

内装工事のように坪単価で費用が決まるものではありません。あくまで機材費用と設置工事費用が基本工事費用となります。

音響設備工事業者の選び方

音響工事業者の情報はネット上にもあまり無い為、中々比較するのが難しい業界です。そんな中、以下に紹介することを確認することで良い音響設備工事業者を見つけることができるでしょう。以下を必ず確認しましょう。

1. 経験と実績

まずは、業者の経験と実績を確認することが重要です。業者のウェブサイトやパンフレットで過去のプロジェクトを確認し、レビューや顧客の声も参考にしましょう。具体的な事例や顧客のフィードバックが多い業者は信頼できます。

HPで工事事例を掲載している場合、同規模程度の工事事例を探し、相見積もり対象ととするのも効果的です。

2. 専門知識と技術力

音響設備工事には高度な専門知識と技術が求められます。

業者が最新の音響技術や機器に精通しているかどうかを確認しましょう。知見が高い企業であれば会社のHPコラムやSNSなどで音響についての解説をしている可能性が高いです。

3. コミュニケーション能力

良い業者は、顧客とのコミュニケーションを大切にします。

プロジェクトの初期段階から綿密な打ち合わせを行い、顧客の要望やニーズを正確に理解し、それに応じた提案をしてくれる業者を選びましょう。問い合わせへの対応が迅速かつ丁寧であることも重要です。

4. カスタマイズ性

プロジェクトごとに異なるニーズに対応できる柔軟性とカスタマイズ性も業者選定における重要なポイントです。

特に複雑な音響システムや特殊な要件がある場合、業者がそれに対応できるかどうかを確認しましょう。オーダーメイドの提案ができる業者は、顧客の満足度を高めることができます。

5. 予算と見積もり

見積もりの透明性も重要です。詳細な見積もりを提供し、費用の内訳が明確である業者を選びましょう。

また、予算内で最適な提案をしてくれる業者が望ましいですが、見積もりが他社と比較して極端に安い場合は、品質に問題がないか慎重に確認する必要があります。

6. サポートとアフターサービス

工事完了後のサポートやアフターサービスもとても大切です。万が一トラブルが発生した場合、迅速に対応してくれるかどうか、保証期間やメンテナンスサービスが充実しているかを確認しましょう。

7. 実際に会って話す

可能であれば、業者と直接会って話をすることも重要です。オフィスに訪問してもらい、実際にスタッフと会話することで、業者の雰囲気や信頼性を確認できます。

実際に会ってみることで、メールや電話では分からない細かい対応や人柄も判断できます。

まとめ

今回は、失敗しない音響設備工事の依頼の仕方や、やり方について解説してきました。音響設備はあらゆる場所で使用されており、用途も多種多様です。

設計から工事やメンテナンスまで一括で対応してくれる音響設備工事業者選びが重要になります。本記事を参考にしていただき、後悔の無い業者選びをしてください。