快適な音響設備ってどんなもの?代表的な各種機材を紹介        

店舗や事務所のBGM、会議やセミナーの運営など、あらゆるシーンで音響は欠かせないアイテムです。心地よい音響は購買意欲を高めたり、作業効率をアップさせたりするのに役立つほか、セミナーや会議の質を向上させます。快適な音響空間を作り出すためにはスピーカーはもちろん、オーディオミキサーやパワーアンプ、イコライザーなどの音響設備が必要です。この記事では、代表的な音響設備を初心者にもわかりやすく説明します。          

1.音響設備とは         

音響設備とは、音を発生させて増幅し、出力するための機器の総称です。店舗や事務所のBGMといった小規模なものから、会議、セミナーなどで用いられる中規模なもの、コンサートやライブ、イベントといった大規模なものまで、様々な場面で使用されています。音響設備の基本的な構成は、マイク、ミキサー、アンプ、スピーカーの4つです。いわゆるPAの音響システム構成がこれにあたります。

PAとは「Public Address(パブリック・アドレス)」の略語で、直訳すれば「公共のお知らせ」という意味になります。その名の通り、公共の場などで拡声やアナウンスなどを行うための音響機器をさし、学校や会社、スポーツ競技場、コンサート会場などで広く用いられています。PAは、インターネットを使ったライブ配信など、ビジネスの場でも用いられるようになりました。

PA機器のうち、音声を電気信号に変換する機器がマイクです。ミキサーは複数の音声信号を混ぜ合わせたり、音量を調整したりする機器をさします。また、ミキサーに搭載されている機能にイコライザーがあります。これは音声信号の特定の周波数を調整することで音質そのものを整える機器です。アンプは、電気信号を増幅する機器で、その電気信号を音に変換するのがスピーカーになります。

音響設備は、用途や規模によって必要な機器が異なります。BGMであればスピーカーとアンプだけ、小規模な会議やセミナーであれば、マイク、ミキサー、アンプ、スピーカーのPAシステムで十分です。しかし、大規模なイベントやコンサートでは、これらに加えてイコライザーなど音質を向上させたり、演出効果を高めたりする多くの機器が必要になります。

では次に、それぞれの音響設備について、詳しく内容を確認していきましょう。

2.オーディオミキサーとは?   

オーディオミキサーとは、複数のオーディオ信号を入力し、それらを組み合わせて1つの出力信号にする機器です。信号を組み合わせる過程でバランスを調整し、聞き取りやすい音を作ります。音量・音質の調整、エフェクト処理といった基本的な機能がありますが、機器の性質によって、大きく次の3つのタイプに分かれます。

#アナログミキサー

アナログミキサーは、入力された音声信号をアナログ音源そのままでミキシングする機器です。直感的に操作ができるシンプルさが特徴で、価格もお手頃です。

#デジタルミキサー

デジタルミキサーは、入力された音声信号をデジタル化し、信号処理チップによってミックスを行う機器です。音声信号を高精細な数値化で管理することで、高度な処理や多彩なエフェクトをかけることができる高機能タイプです。

#パワードミキサー

パワードミキサーは、ミキサーとパワーアンプが統合されたオールインワンの機器です。音源のミキシングと同時に、スピーカーへのパワー供給も行います。持ち運びや設置が簡単で、コンパクトでも十分な出力パワーを発揮します。

3.パワーアンプとは?   

パワーアンプとは、音響信号を増幅し、スピーカーやヘッドフォンなどの出力デバイスに駆動信号を供給する機器です。低電力の音響信号を高電力の信号に増幅することで、より大きな音量を出力させることができます。パワーアンプにはいつくかの異なるタイプがあります。

#ステレオパワーアンプ

ステレオアンプは、左右2つのチャンネルでステレオ音声信号を増幅するアンプです。左右のチャンネルはそれぞれ独立して操作することができるのでステレオサウンドが再生できるという仕組みです。ホームオーディオなどで使用されるのが一般的です。

#4チャンネルパワーアンプ

4チャンネルパワーアンプは、メインである左右2つのスピーカーに加え、さらに2系統のボリュームを駆動させることができるアンプです。カーオーディオやホームシアターシステムなどによく使用されます。

#ハイインピーダンスパワーアンプ

ハイインピーダンスパワーアンプは、ハイインピーダンススピーカーと組み合わせることで、1つのラインに複数のスピーカーを接続して出力させることができるタイプです。一般的に店内BGMや会議場などで使用されます。

#デジタルパワーアンプ

デジタルパワーアンプは、デジタル信号処理を使用して音響信号を増幅するアンプです。アナログからデジタルに変換してデジタル処理を施した後、再びアナログに変換されます。アナログのパワーアンプよりも小型軽量である点が特徴です。

4.スピーカーとは?        

スピーカーとは、電気信号を音に変える装置です。電気信号によって振動するコイルが磁石に引き寄せられたり反発したりすることで、振動板を振動させ、空気を振動させて音を出すというのが一般的な原理となります。音響設備の中でも音の最終出力デバイスとなりますので、その役割は特に重要です。スピーカーにはいくつかの種類がありますが、一般的なものとして次のタイプが挙げられます。

#ダイナミックスピーカー

ダイナミックスピーカーは、振動板を放物面状にした磁性体とコイルで構成されており、この振動板を振動させて音を出す方式です。一般的に低音から中音までの再生に適していることが特徴です。

#平面スピーカー

平面スピーカーは、振動板に平面状の部材を使用したもので、振動板を振動させて音を出す方式です。音の再生が比較的平坦で高音域が優れていることが特徴です。

#ラインアレイスピーカー

ラインアレイスピーカーは、複数のスピーカーユニットをつないで一列に並べ、1つのエンクロージャーから音を出す方式です。高音から低音までの幅広い周波数帯域をカバーできることが特徴で、ライブ音楽などで使用されることが多いです。

#フルレンジスピーカー

フルレンジスピーカーは、特定の周波数帯域の音を再生するための専用のスピーカーユニットを備え、全ての音をカバーする方式です。音の再生が比較的平坦でコストが低いことが特徴です。

5.イコライザーとは?   

イコライザーは、オーディオ機器やレコーディング用途で使用される音声処理用の装置です。主に周波数特性を調整することで、音質の最適化をはかる目的で用いられます。音源から出力される音の波形は、周波数によって幅広く変化しますが、イコライザーはあらかじめ用意された周波数幅ごとに、音の質を調整する機能を持つので、音楽や映画、スピーチなどにおける立体感や聞き心地を最適な状態にすることを可能にします。イコライザーには、機能や性能によって種類がありますが、一般的にはグラフィックイコライザーとパラメトリックイコライザーがよく用いられます。

#グラフィックイコライザー

グラフィックイコライザーは、一連のスライダーやフェーダーで構成されたフロンターパネルを持つイコライザーです。それぞれのスライダーは特定の周波数バンドを表し、音量を上げたり下げたりすることで調整することができます。

#パラメトリックイコライザー

パラメトリックイコライザーは、周波数、帯域幅、ゲインの各パラメータを調整できるイコライザーです。これにより、より緻密な周波数制御と音響調整が可能になります。

6.マイクとは?   

マイクは、音声を電気信号に変換するデバイスです。音声信号を電気信号に変換することで、音声や楽器の音を録音したり、増幅、伝送したりすることができます。マイクは、その原理によっていくつかの種類に分けられます。

#ダイナミックマイク

ダイナミックマイクは、振動コイルと磁石の相互作用によって音声をとらえます。音波がマイクの振動板を振動させ、それによってコイルが磁場内で動くことで電気信号が生成されます。ダイナミックマイクは堅牢で耐久性があり、高音圧レベルに対しても優れたパフォーマンスを発揮します。

#コンデンサマイク

コンデンサマイクは、振動するダイアフラムと固定されたバックプレートの間のキャパシタンスの変化によって音声をとらえます。電気的に帯電したバックプレートとダイアフラムの間の電圧の変動が音声信号として出力されます。コンデンサマイクは高い感度と正確な再現性を持ち、広い周波数範囲や微細な音のニュアンスをとらえることができます。

#リボンマイク

リボンマイクは、非常に薄いリボン上の金属素子が音波によって振動することで音声をとらえます。リボンマイクは豊かな音色や滑らかな音を再現できるという特徴を持つので、特にボーカルや楽器の録音などに使用されます。

マイクやスピーカーは音響設備の必需品

店内や事務所などのBGMはもちろん、会議やセミナーといった各種イベントの運営など、さまざまなシーンで音響による空間演出が行われています。この音響空間を支えるのが、マイクやスピーカーをはじめ、オーディオミキサー、パワーアンプ、イコライザーなどに代表される音響設備です。それぞれの機器には役割があり、機器ごとに豊富な種類がありますので、用途に応じた最適な種類を選択して使用することが大切です。

自分のお店やオフィスではどんな音響設備が最適なのか迷ったらAZAまでご相談下さい。