eスポーツのライブ配信のやり方と必要な機材
目次
ここ数年メディアで見聞きする機会が急増した「eスポーツ」。
関連イベントも盛んに開催されるようになり、その模様をオンラインで配信することによって、多くのゲームファンを魅了しています。
その市場規模は年々大きくなっており、プレイヤーを育成する専門スクールや、eスポーツイベントに特化したスタジオなども増加しています。
そこで今回は、今話題のeスポーツを配信するためのシステムについて解説していきます。
eスポーツとは
「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。
https://jesu.or.jp/contents/about_esports/
なぜ今eスポーツが流行しているのか。
様々な要因が考えられますが、やはりテクノロジーの進歩が大きな要因のひとつであることは間違いありません。
ハードウェアの性能が向上し、同時に通信技術が発達したことによって、世界中のプレイヤーと繋がれるようになりました。
やがてアジア・北米・ヨーロッパで大会が行われるようになり、「プロゲーマー」と呼ばれる職業が生まれたことで、興行としても注目されるようになります。
日本でも2015年に日本eスポーツ協会が設立され、その市場規模は2026年には500億円に迫る¹というデータもあります。
参考
㊟¹:株式会社 日本能率協会総合研究所 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000035568.html
eスポーツ配信に必要な機材
eスポーツのライブ配信には、高度な映像技術がたくさん盛り込まれています。
プレイ画面にプレーヤーの表情を映したカメラ映像を埋め込んだり、ゲームのパラメーターを合成したりと、複雑な画面構成を必要とします。さらにそれをリアルタイムで行わなければならないので、当然高い技術力が求められます。
そのため、eスポーツの配信設備は全体的にハイスペックなものが求められます。
ゲーミングPC
eスポーツに欠かせないのがやはりゲーミングPCです。
普通のPCとの一番の違いは、高性能なグラフィックボードを搭載しているため、3D描画処理に強いという点です。
また、ゲーミングPCは相対的に普通のPCに比べてCPUのスペックも高くなっています。ハイスペックなCPUとGPUを併せ持つことによって、ゲームのきめ細やかな3D映像を遅延なく処理することができます。
ゲーミングPCにもデスクトップPCとノートPCがあり、自分のプレイスタイルに合わせて選ぶことができます。外部モニター、キーボード、マウス等の周辺機器も、専門メーカーからハイスペックなものが多数発売されています。
ビデオカメラ
ビデオカメラはeスポーツイベント会場の様子を撮影するのに使用します。一口に様子と言っても、視聴者を魅了する映像を配信するためには、複数台のカメラが必須になります。会場全体を映すカメラ、プレイヤーの表情を映すカメラ、観客のリアクションを映すカメラ等。
eスポーツはエンターテイメント性の高い映像コンテンツなので、視聴者にはやはり高画質な映像を届ける必要があります。なので、Full HD~4K対応のビデオカメラを選ぶと良いでしょう。
大規模イベントを開催する場合は、プロのカメラマンが乗り込みで撮影することもあるので、業務用カメラがおすすめです。
ライブスイッチャー
スイッチャーは複数のカメラの映像やその他の映像素材を、リアルタイムで切り替えるための機材です。
ライブ配信需要が急増したここ数年は、映像スイッチングに加え、映像エフェクト、オーディオミキサー、オーディオエフェクト、が一体となったライブスイッチャーが人気です。
コンパクトなボディにプロ仕様の機能をたっぷり詰め込みながらも、数十万円で購入できるモデルがたくさんあります。
ハードウェア一台で映像も音声もコントロールできるので、一人でオペレーションが可能になります。
配信PC
eスポーツの配信は、カメラ映像、ゲーム画面、動画素材、静止画素材、オーディオ等たくさんのソースを扱います。それらの素材をPCに集め、視聴者に見やすく臨場感のあるレイアウトを作って配信します。
配信PCは、視聴者に配信する最終的な映像を作る工程を担います。正確にはインストールしたオンライン配信ソフトウェア(ソフトウェアスイッチャー)で、映像・音声の加工、レイアウト、エンコードをしてYouTubeやtwitchなどの配信プラットフォームに送ります。
オンライン配信ソフトウェアにはOBS Studio、Wirecastなどの選択肢がありますが、eスポーツなどの本格的な配信には、vMIXがおすすめです。
有料ソフトですが、配信の安定性が高く、入力できるソース数が多いのが利点です。
オンライン配信ソフトウェアは負荷の大きいソフトなので、インストールするコンピュータもある程度ハイスペックなものが必要になります。
参考までに前述のvMIXの推奨スペックは以下の通りです。
OS | Windows 10 |
プロセッサー | Intel Core i7 Processor 3Ghz+ |
メモリ | 8GB DDR4 |
グラフィックカード | 専用グラフィックカード 2GB+ |
画面解像度 | 1920 ×1080 |
音響各種
イベントのオンライン配信の場合、司会やインタビュー、実況等を想定した音響も欠かせません。
ゲーミングヘッドセット
プロゲーマーのプレイには、繊細な聴覚も重要です。
そんなプロのプレイに対応するべく、各メーカーから専用のチューニングが施されたヘッドフォンが発売されています。
ボイスチャットを行うためのマイクを内蔵しているモデルもたくさんあります。
マイク
マイクはイベントには必須のアイテムと言えます。
有線・無線、ハンドマイク・ピンマイク等たくさんの種類があります。
ミキサー
会場の音響機器の音声を集約し、バランスを整えて出力する機材です。
配信用のスイッチャーにはミキサーが内蔵されていることがほとんどですが、オーディオ入力端子の数はあまり多くないので、多数の音声ソースを扱う場合はミキサーを用意しておく方がよいでしょう。
コンバーター・分配器
本格的な配信の現場では様々な規格の映像信号を扱うことになります。
複雑に入り組んだ信号を変換したり、分配したりして適切に処理するために必要なのが、コンバーターや分配器です。
小型のものが多く地味な印象ですが、信号の種類や流れを理解していないと扱いが難しいアイテムなので、システムのプランニングや設置はプロの業者に依頼するのがおすすめです。
eスポーツの配信方法(システム構成例)
eスポーツ配信システムの一例です。
ゲームPC・カメラの映像とミキサーの音声をライブスイッチャーに集め、まとめた信号を配信PCに送ります。
配信ソフト(ソフトウェアスイッチャー)でレイアウト等を整えて、配信プラットフォームに送ることで配信します。
配信の規模や機材のスペックによって、システムは様々に変容します。
e-sports配信システムの事例はコチラ↓
まとめ
今回はeスポーツイベントの配信を想定したシステムと、必要な機材について解説しました。
今回紹介したライブ配信の機材やシステムは、ゲーム配信以外にも使えるものばかりです。
イベントの配信やウェビナーの配信等にも是非ご活用ください!
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