おすすめデジタルサイネージディスプレイの導入

目次

2013年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まって以降、急速に普及したデジタルサイネージ。駅や商業施設などで目にすることも多いのではないでしょうか。

「デジタルサイネージ」という言葉は広く知られるようになりましたが、どのようなシステムで映像を表示しているかまでご存知の方は少ないと思います。

ちょっと難しそうなイメージのあるデジタルサイネージ、実はAVシステムとしては案外シンプルなんです。

今回はデジタルサイネージのシステム構成や、おすすめの機種について解説していきたいと思います。

デジタルサイネージとは

屋外・店頭・公共空間・交通機関など、あらゆる場所で、ディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するメディアを総称して 「デジタルサイネージ」と呼びます。ディスプレイの発展、デジタルネットワークや無線LANの普及とあいまって、施設の利用者・往来者に深く届く新しい市場が形成されています。

https://digital-signage.jp/about/

デジタルサイネージのメリット

圧倒的に目につきやすい

電子機器を用いることによって映像と音での表現が可能になります。また、ディスプレイやLEDパネルは表示部が発光するため、暗い場所や夜でも鮮明に表示します。

また、映像と音の表現が可能ということは、クリエイティビティ次第で様々なコンテンツを作ることができるということです。

このように人の目を引く色々な工夫を施すことによって、情報を効果的に発信することができます。

コンテンツの差し替えが簡単

看板やポスターの場合、差し替えやリニューアルの度に、制作→設置という工程が発生します。

デジタルサイネージは、基本的にメディアプレーヤーやSTBと呼ばれるコンテンツを収容して再生する機材からモニターに信号を出力するというシステムです。

表示させるコンテンツを変更するには、メディアプレーヤーに新しいコンテンツを読み込ませるだけでOKです。

リアルタイムの情報発信

従来の看板やポスターは広告としての利用が主体でした。

デジタルサイネージは、前述の通り変化の多い情報の発信に強いので、渋滞情報や株価等リアルタイムで変化する情報をすぐに発信することができます。

サイネージ用ディスプレイとは

デジタルサイネージには、サイネージとしての使用を想定して設計された業務用機材を使用します。

一般家庭にあるテレビと見た目こそ似ていますが、そもそも用途や使用場所が全く違うので、性能も大きく異なります。

テレビとの違い

耐久性

デジタルサイネージは屋外で目にすることも多いと思います。屋内であったとしても、不特定多数の人の目に触れる場所に設置されることがほとんどです。

そのため、高い耐久性を持っています。

また、テレビは見たいときに点けるので断続的な使用を想定していますが、サイネージは長時間映像を流しっぱなしにします。そのため長時間持続的に映像を表示するために、画面焼けに強くなっています。

明るい

屋外に設置されることも多いデジタルサイネージは、直射日光があたるような非常に明るい条件下でも画面が見えやすいように輝度の高いディスプレイを搭載しています。

フレキシブルな設置方法

サイネージ用ディスプレイをはじめとする業務用モニターディスプレイは、様々な用途に対応できるように、設置方法のバリエーションが豊富です。

  • 卓上・・・テレビの様に台の上に載せる設置方法です。
  • 自立・・・専用スタンドに設置し、丁度立っている人の目線の高さに設置することができます。
  • 壁掛・・・アタッチメントを使って、壁に直接貼り付けるように設置します。壁に埋め込むこともできます。
  • 縦置き・・・本体を90°横に倒し、縦型のモニターとして使用することができます。

デジタルサイネージのシステム

デジタルサイネージは、映像ソースをモニターに出力するだけなので、基本的には大変シンプルです。

大きく分けて2種類のシステムに分類できます。

  • スタンドアロン型
  • ネットワーク配信型

ここではそれぞれの構成、活用例について解説します。

スタンドアロン型

構成

デジタルサイネージのスタンドアロン型の構成について、必要な機器は以下のとおりです。

  • ディスプレイ
  • STB
  • 記録媒体(USBメモリ、SDカードなど)
  • 電源装置
  • 取付スタンド・フレーム

ディスプレイ

ディスプレイはデジタルサイネージのメインとなる機器で、以下のような種類があります。

  • 液晶ディスプレイ(LCD)
  • 有機ELディスプレイ(OLED)
  • LEDディスプレイ

ディスプレイは使用場所や表示内容に応じてサイズや解像度を選ぶ必要があります。通常、明るい場所に設置する場合は輝度の高いディスプレイが適しています。

STB

STBはディスプレイに表示するコンテンツを管理・再生するための機器です。

スタンドアロン型の場合、インターネット接続が不要で、ディスプレイに内蔵されているものと、ディスプレイと接続してUSBメモリやSDカード、または内蔵のストレージに保存されたコンテンツを再生するものがあります。

記録媒体(USBメモリ、SDカードなど)

スタンドアロン型のデジタルサイネージでは、インターネット接続がなくても動作するため、コンテンツを保存するための媒体が必要で、一般的に以下が使用されます

  • USBメモリ
  • SDカード
  • 内蔵ハードディスクまたはSSD

これらに事前に動画、画像、テキストなどのコンテンツを保存しておき、STBで再生します。

電源装置

ディスプレイやSTBには電源が必要です。通常AC電源を使用しますが、バッテリーで動作するタイプもあります。

取付スタンド・フレーム

ディスプレイを設置するためのスタンドや壁掛け用のフレームが必要です。設置場所によって、床置きスタンド、壁掛け金具、天井吊り下げ金具などを選択する必要があります。

活用例

デジタルサイネージのスタンドアロン型は、インターネット接続を必要としないため、さまざまな場所やシチュエーションで手軽に活用できるのが特徴です。

以下に、いくつかの活用例を紹介します。

店舗のプロモーション

飲食店でメニューやおすすめ料理を表示したり、アパレルショップでセールや新商品のプロモーションビデオを流したりして活用されます。

スタンドアロン型は手軽に導入でき、コンテンツをUSBメモリなどに保存して簡単に更新できるため、インターネット接続がない場所でも柔軟に利用可能です。

展示会やイベントでの製品PR

展示会ブースで製品の特長や操作方法などを動画で説明したり、企業セミナーで受付やブースにサイネージを設置して企業情報を表示したりして活用されます。

展示会やイベント会場は一時的な設置が多いため、設置・撤去が簡単なスタンドアロン型が適しています。

商業施設での店舗案内・フロアガイド

ショッピングモールでフロアガイドやイベント情報を表示したり、大型商業施設で各テナントの情報や割引キャンペーンを紹介したりする際に活用されます。 スタンドアロン型のサイネージで、設置場所や運営の柔軟性を高めることが可能です

ネットワーク配信型

構成

デジタルサイネージのネットワーク配信型の構成について、必要な機器は以下のとおりです。

  • ディスプレイ
  • STB
  • サーバーまたはクラウドサーバー
  • CMS(コンテンツ管理ソフトウェア)
  • ネットワーク接続機器
  • インターネット回線
  • 管理端末

ディスプレイ

ネットワーク配信型でも、スタンドアロン型と同様にディスプレイが必要で、以下のような種類があります。

  • 液晶ディスプレイ(LCD)
  • 有機ELディスプレイ(OLED)
  • LEDディスプレイ

ネットワーク配信型では複数のディスプレイが一括管理されることが多いため、設置場所やコンテンツに応じて、サイズや解像度を選択します。また、ネットワーク対応ディスプレイも存在します。

STB

ネットワーク配信型では、インターネットを介してコンテンツを受信し再生するSTBが必要です。ネットワーク対応の内蔵タイプと外付けタイプがあります。

サーバーまたはクラウドサーバー

ネットワーク配信型のデジタルサイネージでは、サーバーを使ってコンテンツを一元管理し、各ディスプレイに配信します。セキュリティ面で高い管理が可能な自社管理サーバーと、場所にとらわれずにどこからでもアクセス可能なクラウドサーバーがあります。

CMS(コンテンツ管理ソフトウェア)

CMS(Content Management System)は、ネットワーク配信型サイネージの心臓部とも言えるシステムです。このソフトウェアを使って、配信するコンテンツのスケジュール設定や、表示時間、頻度などを一元管理します。

  • コンテンツのアップロードや管理
  • 配信スケジュールの設定
  • ディスプレイごとのコンテンツのカスタマイズ
  • 配信状況や履歴の確認

多くの場合クラウドベースのCMSが使われ、ブラウザ経由でどこからでもアクセスして管理できます。

ネットワーク接続機器

ネットワーク配信型ではインターネット接続が必要で、以下のネットワーク接続機器が必要になります。

  • ルーター
  • スイッチングハブ(有線接続する場合)
  • Wi-fiアクセスポイント(無線接続する場合)

インターネット回線

コンテンツを遠隔から配信するために、安定したインターネット接続が必要です。特に大容量の動画や画像を配信する場合は、速度と安定性の高い回線が推奨されます。

管理端末

CMSを操作するために、リモコンやパソコン、タブレットなどの管理端末が必要です。これらを使用してコンテンツの管理や配信スケジュールの調整を行います。

活用例

ネットワーク配信型のデジタルサイネージは、インターネットを介して遠隔からコンテンツを配信・管理できるため、柔軟かつ効率的に活用できます。特に多拠点展開や動的なコンテンツの更新が必要な場面で非常に有効です。

以下に、その具体的な活用例をいくつか紹介します。

多店舗チェーンでの広告管理

ファーストフードチェーンで季節限定メニューや新商品のプロモーションビデオを全国の店舗に一括配信したり、コンビニエンスストアで限定セールやキャンペーンの案内を配信し、店舗ごとに異なるプロモーション情報を表示したりして活用されます。

中央管理で全国の店舗のディスプレイに一括で最新の広告を配信でき、変更が必要なときも瞬時に対応可能です。店舗ごとにローカライズされた広告を表示することも可能で、柔軟にカスタマイズできる点が強みです。

交通機関でのリアルタイム案内

駅やバス停で運行状況や遅延情報をリアルタイムで表示したり、空港で遅延を含む出発や到着のフライト情報をリアルタイムで表示したりして活用されます。

ネットワークを通じてリアルタイムで最新情報を配信できるため、利用者の利便性を大幅に向上させることができます。

公共施設での災害・緊急情報配信

役所や公共施設で災害時の避難情報や緊急警報を即座に知らせたり、自治体のイベント会場で地域のイベントや催し物のスケジュールの案内を表示したりして活用されます。 災害時や緊急時に、リアルタイムで全施設に一斉配信が可能であり、緊急時の対応を早めることができます

サイネージにおすすめのモニターディスプレイ

デジタルサイネージの導入は、目的と規模を明確にし、慎重に進めていく必要があります。

街頭ビジョンのような大規模なものになると、広告枠の購入も必要になります。

今回は比較的導入が簡単な中~大型のモニターディスプレイをご紹介していきます。

I-O DATA 4K対応&広視野角ADSパネル採用 55型ワイド液晶ディスプレイ(LCD-M4K552XDB)

https://www.iodata.jp/product/lcd/4k/lcd-m4k552xdb/

4K UHDに対応した55インチの大画面液晶ディスプレイです。

高視野角ADSパネルを採用することによって、見る位置や角度による色のやコントラストの差が少なくなっています。

自動で輝度を調節してくれる「CREX」機能や、色の彩度を調節できる「エンハンストカラー」機能等、表示するコンテンツの質を高める機能が豊富です。

I-O DATA社は、個人向け、法人向け、ゲーム用、タッチパネルに至るまでバリエーション豊かなディスプレイモニターを展開しています。

こちらのページでは、同社のサイネージ向けモニターをリストアップしているので、併せてご覧ください。

Panasonic マルチスクリーン対応超狭額縁液晶ディスプレイ(TH-55LFV9J)

https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services/prodisplays/lineup/lfv9

Panasonic製モニターディスプレイTH-55LFV9Jは、一台での使用はもちろん、複数台のモニターを繋ぎ合わせて1つの巨大なモニターとしても使用することができます。(連結には専用のオプション金具が必要です)

それを可能にしているのが、なんと3mmを切る極薄のベゼル幅(ディスプレイを囲う淵の部分)です。モニター同士の境目を目立たなくさせることで、拡大した映像を美しく見せることができます。

24時間連続運転と縦置き設置に対応しているため、サイネージにはもってこいの仕様となっています。

Panasonic 4K UHD液晶ディスプレイ SQE2シリーズ

https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services/prodisplays/lineup/sqe2

Panasonicの4K UHD液晶ディスプレイSQE2シリーズは、高解像度の映像を鮮明に表示するディスプレイです。

オフィスや会議室でのプレゼンテーション、デジタルサイネージなどに適しています。視野角が広く、明るさやコントラストが優れているため、どの角度から見てもクリアな映像が楽しめます。

また、長時間の使用にも耐える堅牢な設計で、信頼性が高いのも特徴です。設置や操作も簡単で、初心者でも安心して使えます。

Panasonic 超高輝度液晶ディスプレイ WF1Hシリーズ

https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services/prodisplays/lineup/wf1h

Panasonicの超高輝度液晶ディスプレイWF1Hシリーズは、非常に明るく、鮮明な映像を提供するディスプレイです。

特に明るい場所でもくっきりとした映像を表示できるため、屋外や日光が差し込む場所での使用に最適です。耐久性も高く、長時間の使用に適した設計がされています。

さらに、簡単に設置・操作できるので、初心者でも安心して使用できます。視認性が高く、広告や情報表示などに向いています。

SONY 業務用ディスプレイ・テレビ[法人向け] ブラビア BZ35Lシリーズ

https://www.sony.jp/bravia-biz/products/FW-BZ35L/

液晶モニター法人向けブラビアのBZ35Lシリーズは、企業や教育機関向けに設計された高性能ディスプレイです。このシリーズは、優れた画質、信頼性、長時間使用に耐える耐久性を備えています。

また、リモート管理機能や多様な接続オプションもあり、会議室や教室での使用に最適です。

直感的な操作が可能なインターフェースも魅力の一つで、専門知識がなくても簡単に利用できます。

SONY 業務用ディスプレイ・テレビ[法人向け] ブラビア BZ30Lシリーズ

https://www.sony.jp/bravia-biz/products/FW-BZ30L/

BZ30Lシリーズは、ソニーの法人向け液晶モニター「ブラビア」の最新モデルです。鮮明な4K画質と広い視野角を提供し、ビジネスや教育現場での利用に最適です。

軽量で薄型のデザインにより、設置が簡単で省スペースです。さらに、内蔵のAndroidシステムにより、多彩なアプリケーションを利用できるため、会議やプレゼンテーションがスムーズに進行します。

直感的な操作性と高い耐久性も特徴です。

SONY 業務用ディスプレイ・テレビ[法人向け] ブラビア BT30Kシリーズ

https://www.sony.jp/bravia-biz/products/FW-BT30K_BZ/

BT30Kシリーズの液晶モニター法人向けブラビアは、企業や教育機関向けに設計された高性能ディスプレイです。

4K解像度で鮮明な映像を提供し、ビジネス用途に適した長時間使用に耐える堅牢な設計が特徴です。

豊富な接続オプションとスマート機能を備え、会議室や教室でのプレゼンテーションやデジタルサイネージに最適です。

直感的な操作が可能で、管理の効率化も図れるため、プロフェッショナルな環境に適しています。

SHARP HSシリーズ 高輝度・4Kスタンダード 55V型

https://jp.sharp/business/lcd-display/lineup/pnhs551/

SHARPのHSシリーズ高輝度・4Kスタンダード55V型ディスプレイは、明るい映像を高解像度で表示する大型ディスプレイです。

4K対応で細部まで鮮明に映し出すため、オフィスや会議室、デジタルサイネージなどで活躍します。高輝度により明るい環境でも見やすく、視認性が高いのが特徴です。耐久性も高く、長時間の使用に耐える設計です。

操作が簡単で、初心者でもすぐに使いこなせるため、多用途で安心して利用できます。

SHARP Vシリーズ 4Kマルチ 60V型

https://jp.sharp/business/lcd-display/lineup/pnv605h/

SHARPのVシリーズ 4Kマルチ 60V型ディスプレイは、高解像度の4K画質を備えた大型ディスプレイです。

多彩な接続オプションを持ち、さまざまなデバイスと容易に接続できます。このディスプレイは、明るく鮮明な映像を提供し、視覚的に優れた体験を可能にします。

オフィスや学校、商業施設でのプレゼンテーションやデジタルサイネージに最適で、広い視野角からも見やすいです。耐久性があり、長時間の使用にも対応します。

操作がシンプルで、使いやすいインターフェースが特徴です。

NEC UNシリーズ

https://jpn.nec.com/products/ds/display/digitalsignage/lcd-un552s/index.html

NECのUNシリーズは、高性能な液晶ディスプレイで、ビジネス環境での利用に特化しています。鮮明な映像と高い視認性を提供し、オフィスや会議室でのプレゼンテーションに最適です。

多彩な接続オプションとスマートな操作インターフェースを備え、初心者でも簡単に操作できます。デザインはシンプルで、設置が容易です。また、長時間の使用にも耐える堅牢な作りで信頼性が高く、ビジネスシーンで安心して利用できます。

まとめ

今回はデジタルサイネージの概要とシステム構成、代表機種の紹介をしました。

デジタルサイネージは、コンテンツ発信の効率と効果を向上させるだけではなく、コストの削減とペーパーレスにも寄与します。

そのうえシステム構成も意外にシンプルかつ、プロが選定から設置までをワンストップで提供するサービスもあるので導入も簡単です。

AZAのAVシステム販売サービスでは、実際にサイネージの設置現場を下見させていただき、最適なモデルをご提案させていただきます。

お気軽にご相談ください。