会議向けワイヤレスマイクの種類と特徴

会議室で使用する設備は多岐にわたります。その中でもマイクというのは、音声を司る機器なので、会議の質に直結すると言っても過言ではないでしょう。

弊社でも会議室で使うマイクについてよくご相談をいただきますが、私たちはワイヤレスマイクをよくオススメしています。

今回は、そんなワイヤレスマイクの種類や、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

会議室にワイヤレスマイクをおすすめする理由

取り回しが良い

ワイヤレスマイクの最も大きなメリットが取り回しの良さです。

ワイヤレスだと以下の利点があります。

話し手の動きが制約されず、表現の幅が広がる

有線マイクの場合、当然ケーブルの長さの範囲でしかマイクを持って移動することができません。
また、ケーブルを踏まないように注意を払わなくてはならないため、話すことへの集中を欠いてしまいます。

その点、ワイヤレスマイクはケーブルに配慮する必要がありません(通信可能な距離が機種によって決まっているので注意)。

セッティングや使用する準備が簡単

有線マイクはマイク1本ごとにケーブルが必要なため、セッティングの手間が増えます。
また、いざ使用するときにどのマイクがどのチャンネルに繋がっているのか分かりにくくなることもしばしばです。

ワイヤレスマイクは、マイク本体に電波の送信機が内蔵されており、親機とペアリングして使用します。ほとんどの機種でどのマイクが通信状態にあるのかビジュアライズされているので、確認しやすくなっています。

見栄えが良い

ケーブルというのは、キレイに整頓するのが意外に難しいものです。
キレイに整頓できたとしても、話し手の可動域をさらに狭めてしまう場合もあります。

ワイヤレスマイクの場合はケーブルが必要ないため、使用中も収納時も見栄え良く保つことができます。

デメリットもある

有線にはないどうしても解消できないデメリットがあります。

それが混信です。

マイクをはじめ無線機器というのは混信のリスクは絶対に付きまといます。
最近ではWi-fiやBluetoothなど、無線通信が一般化しているので、混信の可能性を0にするのは困難と言えるでしょう。

ワイヤレスマイクの種類

ハンドマイク

マイク

最もポピュラーなのがハンドマイク型ではないでしょうか

人気なので種類が豊富です。

ピンマイク

服などに装着して使用する、最も小型のマイクです。
テレビ収録などでタレントが身に着けているのを見たことがある方も多いかもしれません。
話者の動きの自由度が高く、見た目的にも目立ちません。

トランスミッターと呼ばれる小さな送信機を腰などに装着して使用します。

ヘッドセット

頭や耳に引っかけて装着するタイプのマイクです。
大規模なセミナーの講演者や、歌手などが使用するマイクでお馴染みかと思います。

ピンマイクと同様にトランスミッターに接続して使用します。

スピーカーセット

受信機がスピーカーに内蔵されているタイプで、このセットのみで音声システムが完結するタイプです。
街頭演説や小規模会議等で使用されることが多いです。
スピーカーも運搬しやすい小型のものが多く、非常にお手軽です。

ただし、接続できるマイクの本数はさほど多くなく、拡張性は低いです。

周波数帯域について

ワイヤレスマイクは電波法で定められた周波数帯を使用します。
ワイヤレス機器には機種ごとに必ず使用する周波数帯が明記されているので、確認が必須になるわけですが、何を選べば良いのかいまいちピントこないという人も多いかと思います。

B帯

市販されているワイヤレス機器で最もポピュラーなのがB帯です。
通信距離が長く、音質も良好なためマイクや楽器のスタンダードとなっています。

ただしこのB帯ワイヤレスは、旧規格と新規格に分かれていて、旧規格の方は電波法の改正によって2022年11月30日を以って使用できなくなりました(現在は移行期間延長中)。

旧規格のB帯ワイヤレス機器を使用している方は、お持ちの機器が新規格に対応しているか確認しましょう。

詳しくはコチラ→https://avsystemsolution.com/column/spurious/

2.4GHz帯

B帯と比較して、「音質がクリアで障害物に弱い」という特徴があります。
比較的新しい周波数帯で、B帯のウィークポイントであった高音域の弱さを解消したことが画期的な帯域でした。
ただし先述の通り障害物に弱く、BluetoothやWi-fiなどの一般的に広く使用されている無線規格も2.4GHzを使用しているため、混信のリスクがくなります。

A帯・C帯

上記の他にA帯とC帯があります。

A帯は使用するのに免許が必要なうえ、事前に特定ラジオマイク運用調整機構という機関に申請をする必要があるため、一般的には入手することができません。
そのぶん混信のリスクを最大限抑えることができます。

C帯は長距離通信が可能な代わりに音質があまり良くないため、インカムなど音質よりも離れた人同士が話せることが重要視される機器に使用されます。

おすすめのワイヤレスマイク

Shure ULX-Dシリーズ

最も有名なオーディオ機器ブランドのShureは、ワイヤレスマイクも非常に広いシェアを持っています。

ULX-Dシリーズはプロユースの安全性、拡張性、耐久性をすべて兼ね備えたデジタルワイヤレスシステムで、大規模な会議にも対応できます。

受信機は1波、2波、4波のモデルがあり、送信機はハンドマイクタイプとピンマイク用のトランスミッタ―タイプがあります。

DPA microphones CORE 4088-DC-A-F10

数多くのエンジニアから評価されているデンマークのマイクメーカーDPA microphones。

4066は高品位なヘッドセットマイクです。
音質はもちろん、耐久性や装着感の良さも非常に優れたモデルです。

専用のアダプタを使えば、Shure製のワイヤレスシステムにも接続することができます。

LINE6 2.4GHz ワイヤレスシステム

2.4GHz帯ワイヤレスシステムに定評のあるLINE6。

LINE6のワイヤレス製品は、とにかくそのコストパフォーマンスに驚きます。
4波の使用を想定した場合、ShureのULX-Dシリーズでは100万円前後必要になりますが、LINE6なら30万円前後で導入できます。

とりあえずワイヤレスマイクを使ってみたいというときは、まずLINE6を試してみるのもおすすめです。

TOA ポータブルワイヤレスアンプWA-2000シリーズ

TOA社のポータブルワイヤレスアンプシステムは、スピーカーに受信機が内蔵されているタイプで、本体と専用のワイヤレスマイクがあれば、すぐに音が出せます。

コンパクトな見た目ですが、ワイヤレスマイク3本、有線マイク2本の同時使用が可能です。

会議室での使用はもちろん、屋外への持ち出しも可能なので、様々なシーンで使用することができます。

まとめ

今回は会議室におすすめのワイヤレスマイクと種類、周波数帯について解説しました。

ワイヤレスマイクは便利な分種類も豊富で、なかなか選ぶのが難しいと思います。
また、周波数帯域、通信距離、同時使用可能数など考慮することも多いです。

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