音響設備のプロが教える!オフィス用スピーカーの選び方
目次
スピーカーなどの音響機器は、オフィス環境においても重要な設備です。作業効率の向上や快適な労働環境の構築においては、適切なスピーカーを選ぶ必要があります。しかし、どのようなポイントを踏まえて選べば良いのでしょうか。この記事では、スピーカーに関する基礎知識や、音響設備のプロが厳選したオフィス用スピーカーの選び方を詳細に解説します。
スピーカーを正しく選ぶメリット
スピーカーを正しく選ぶことには数多くのメリットがあります。まず、オフィス内の音響環境を最適化することにより従業員の作業効率を向上させ、集中力を高めることができます。業務や会議、プレゼンテーションなどではクリアでバランスの取れた音質がコミュニケーションの質を向上させ、業務をスムーズに進めることに繋がります。
また、音質だけでなくデザインがオフィスの雰囲気と調和するものを選ぶことによって、オフィス内の空間がより魅力的なものとなり、従業員のモチベーションを向上させる要因にもなるでしょう。従業員の満足度が向上すれば、企業全体の生産性や雰囲気にも良い影響を与えてくれます。
スピーカーの仕組み
スピーカーは、振動板(ドライバーユニット)によって音響信号を物理的な振動に変換するという仕組みで動いています。まず、電気信号がスピーカーに送られると、これがドライバーユニット内のコイルを通過します。このコイルと固定された磁石とが相互作用することにより、電気信号が物理的な振動に変換され、振動板が振動し、音波となるのです。そのため、スピーカーの性能はドライバーユニットの質やサイズ、外装の構造などによって大きく変わります。
また、低音域をより効果的に再生するためには、専用のウーハースピーカーを利用します。これは大きな振動板を備えており、低音の豊かな表現を可能にするユニットです。一方、高音域の再生にはツイーターという小型で高い振動数の音を生成することができる装置が用いられます。このようなスピーカーの仕組みを知っておくと、より高品質で状況に適したスピーカーを選ぶことができるでしょう。
スピーカーのレンジ
スピーカーにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や適した環境が異なります。
モデルによって再生可能周波数(どれくらい高い音~どれくらい低い音までを再生できるか)が異なり、この再生可能周波数の範囲が広いほど、音の再現性が高いと言えます。
ツイーター
高音域を担当するスピーカー
ウーファー
低音域を担当するスピーカー
フルレンジスピーカー
一つのフルレンジスピーカーのみで鳴らす方法です。
基本的に下記の2way・3wayと比べて安価に導入することができます。
2way
高音のツイーター、低音のウーファーに分けて鳴らす方法です。
フルレンジスピーカーよりも高音から低音まで幅広い音域を再生することができます。
3way
高音のツイーター、低音のウーファー、その間の中音域(スコーカー)に分けて鳴らす方法です。
スピーカーの配置について
ステレオスピーカー
ステレオスピーカーは、左右の2つのスピーカーで音を再生し、立体的なサウンドを出すことができます。
2.1chサラウンド
2.1chスピーカーは、左右のスピーカーとサブウーファーで構成されています。サブウーファーを備えているため、迫力ある低音を楽しむことができるのが特徴です。
5.1chサラウンド
5.1chスピーカーは、前方に2つ、後方に2つ、中央に1つの合計5つのスピーカーにウーファーを組み合わせた構成の装置です。サラウンドサウンドであるため、とても臨場感のある音を鳴らすことができます。
家庭用スピーカーとオフィス用スピーカーの違い
家庭用スピーカーとオフィス用スピーカーは、使用環境やニーズが異なるため、さまざまな違いがあります。ここでは、家庭用とオフィス用のスピーカーの違いについて見ていきましょう。
音質とボリューム
家庭用スピーカーはコンテンツを楽しむためにエンターテインメント性を重視しているため、迫力や臨場感が求められます。一方で、オフィスでは声などをはっきりと聞き取るのが重要になるので、オフィス用スピーカーとしてはクリアで中低音が強調されたバランスのとれた音質が出せるものがおすすめです。
デザイン性
家庭用スピーカーはデザインやカラーバリエーションが豊富で、さまざまなインテリアに合わせやすいのが特徴です。しかし、オフィスの室内は単色で落ち着いたインテリアが多いため、オフィス用スピーカーは内装に馴染み、目立たないものが好まれる傾向にあります。
また、広さによって必要なスピーカーの性能も変わります。小規模なオフィスではコンパクトなスピーカーで十分ですが、大規模なオフィスでは広範囲に音を広げられるシーリングスピーカー等も検討すると良いでしょう。
会議などの機能
オフィス用スピーカーには、家庭用のものとは異なり通話・会議など話すことに特化した機能が備わっている場合があります。日常生活よりも正確なコミュニケーションが求められるため、ノイズキャンセリング機能・多人数会議機能や、クリアな音声で会話ができるかどうかなど、オフィスの業務において役立つ機能を備えたものがおすすめです。
スピーカーの選び方
スピーカーを選ぶ際には、用途や環境に合った特性やデザインを考える必要があります。ここでは、スピーカーの種類に応じた選び方のポイントを見ていきましょう。
形状で選ぶ
スピーカーにはさまざまな形状があります。例えば、箱型で重厚感のある「ブックシェルフ」や、細長いタイプの「トールボーイ」、床に直接設置する大型の「フロア」などです。
ユニット数・way数で選ぶ
ユニット数・way数とは、いくつの機器でスピーカー全体を構成するかの数を指します。1wayなら1台のスピーカーで、2wayならウーファーなどを組み合わせた2台構成で、3wayはさらにツイーターなどを組み合わせて3台構成にしたものです。オフィス利用ではそこまで高い音質を必要としない場合も多いため、1wayでも十分な性能を確保できます。BGMや動画などを流す予定の場合は、2way・3wayを検討するのも良いでしょう。
ハイレゾ対応の有無
ハイレゾとは、CDよりも高精度に音楽をデジタル化した音楽データの形式です。ハイレゾの再生にはそれに対応したスピーカーが必要となるため、ハイレゾを再生する予定がある場合は必ず対応の有無を確認しておきましょう。ただし、ハイレゾはコンサート会場やレコーディングスタジオなどのような高音質を一般のスピーカーでも再生できるといった機能なので、ビジネス用途では必要とされないことも多いです。
色やデザイン
スピーカーを選ぶ際は、周囲の雰囲気に合ったデザインを選ぶことも重要です。スピーカーに多いデザインとしては、黒色・木目調・シルバー・ホワイトなどがあります。黒や木目調はシックで洗練された印象を与えるため重厚感のあるオフィスに適しており、シルバーやホワイトはモダンで清潔感があるため明るいオフィスに適しているでしょう。
ポイントを抑えて適切なオフィス用スピーカーを選ぼう
適切なオフィス用スピーカーを選ぶことは、オフィス内の音楽の他、業務におけるプレゼンテーションや会議での効率的なコミュニケーションなど、色々な場面でメリットがあります。スピーカーにはさまざまな種類があり難しく感じる人もいるかもしれませんが、快適なオフィス環境を作るためにも、ぜひ選び方のポイントを抑えて最適なスピーカーを見つけ出してください。
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