オフィスや店舗の天井にプロジェクターを付ける方法を解説

 1. プロジェクターとは

プロジェクターとは、画像や映像をスクリーンや壁に投影するための装置です。
映画館で使われる大規模なものから、家庭用の小型のものまで、その用途や種類はさまざまです。
一般的には、コンピュータやDVDプレーヤー、ゲーム機などの外部機器と接続し、それらから出力される映像を拡大して投影します。

1-1プロジェクターの仕組み

まずは、プロジェクターの基本的な仕組みについて説明します。
プロジェクターは筐体内部にレーザーやランプ等の光源を持ち、その光を透過あるいは反射させて映像を作り出します。この映像はレンズを通してスクリーンや壁に投影され、投影される映像のサイズは、プロジェクターからスクリーンまでのの距離、およびレンズの調整によって決まります。

1-2プロジェクターの種類

プロジェクターの種類について詳しく見てみましょう。主に以下のようなタイプがあります:

ホームプロジェクター

家庭で映画鑑賞やゲームを楽しむためのプロジェクターです。
限られたスペースで設置できるように小型化しているものが増えています。特に4K対応のモデルも増えており、家庭内のエンターテイメント体験を向上させます。

ビジネスプロジェクター

大規模な会議やプレゼンテーションで使用されるプロジェクターです。
明るい環境でもはっきりとした映像を投影できる高い輝度が特徴です。また、長時間の使用に耐える耐久性や、ズーム機能、リモート操作などのプロ向けの機能を備えています。

モバイルプロジェクター

小型で軽量なプロジェクターで、持ち運びがしやすいのが特徴です。
コンパクトながらもビジネス向けの本格派機能を備えているモデルも数多くあります。
10人前後の小規模会議や、出張先でのプレゼンテーションなどに最適です。

1-3プロジェクターの使い方

プロジェクターを設置する場所を選びます。
スクリーンや投影面とプロジェクターとの距離を適切に保ち、歪みのない映像を得るために位置を調整します。その後、プロジェクターを電源に接続し、映像ソースとなる機器(パソコン、DVDプレーヤー、ゲーム機など)をプロジェクターに接続します。

映像ソースの機器からプロジェクターに信号を送るためのケーブルには、HDMIケーブル、VGAケーブル、USBケーブルなどがあります。接続後、プロジェクターの電源を入れ、レンズのフォーカスやズームを調整してクリアな映像を得ます。必要に応じて、プロジェクターのメニュー設定で明るさやコントラスト、色合いなどを調整します。

このように、プロジェクターは用途に応じてさまざまな種類があり、どのように使用するかも多岐にわたります。ホームシアターからビジネス、教育、エンターテイメントまで、幅広いシーンで活躍するプロジェクターを選ぶ際には、使用目的に合った機能や性能を確認することが重要です。

 2. プロジェクターを天井に設置する「天吊り」

プロジェクターの設置方法として、天井に固定する「天吊り」という方法があります。

プロジェクターを天井に設置するメリット

1. 部屋のスペースを節約できる

プロジェクターが天井に設置されることで、床や机の上に余計な物が置かれず、部屋全体がすっきりとした印象になります。特に、オフィスや店舗などで多くの人が行き来する場所では、スペースの有効活用が重要です。また、家庭でもリビングルームや寝室を広く使うことができ、インテリアの邪魔をしないため、非常に便利です。

2. 安全性・安定性の向上

プロジェクターを床や台に置く場合、その周囲にケーブルを垂らすことになります。これは見た目が悪くなるだけでなく、躓いて転倒したり、本体やケーブルの破損に繋がる危険性もあります。
天吊りは配線をまとめて天井裏に隠したり、這わせたりすることが前提なので、視覚的にもすっきりし、安全性も向上します。

また、床や台に置いた場合、プロジェクターが動いたり、人が接触する可能性がありますが、天吊りにすることでしっかりと固定されるため、投影される映像がブレたりすることがなくなり、都度調整を行う必要がなくなります。

プロジェクターを天井に設置するデメリット

設置が難しい

プロジェクターを天井に取り付けるには、専門的な知識や技術が必要です。特に、天井の強度を確認し、適切な位置に取り付けるためには、プロの手を借りることが推奨されます。また、プロジェクターの重さやサイズに合わせた専用の取り付け金具を使用する必要があります。

費用がかかる

天吊りの場合、専用の取付金具、長尺のケーブル、その他部材、工事費用等のコストが発生します。

3. オフィス・店舗用でプロジェクターを天吊りする方法

プロジェクターを天井に設置することで、オフィスや店舗の空間を有効に活用し、視界を確保しながら映像を投影することができます。

3-1プロジェクターを天吊りする手順

a.設置場所を決める

まず最初に、プロジェクターをどこに設置するかを決めます。適切な設置場所を選ぶことが、投影のクオリティを左右します。以下の3つを必ず確認します。

距離の確認
プロジェクターとスクリーンの距離を確認します。プロジェクターの仕様書に記載されている推奨投影距離を参考に、スクリーン全体に映像が映る距離を測定します。

下地の確認
次に、天井の強度を確認します。
プロジェクターを天吊りする場合は、専用の金具を天井に打ち付けて固定します。そのため木製の梁や金属のフレームなど、プロジェクターと金具の荷重に耐えられる強度が必要です。下地が無い場合は下地を入れるところからとなり手間も費用もかかる工事となる可能性があります。
また、ホールなどの大規模な会場の場合は、バトンと呼ばれる設備が常設されているケースもあり、その場合はバトンに金具を取り付けます。

配線の確認
プロジェクターと映像ソース、電源との接続を考慮して配線経路を確認します。ケーブルの長さや配置を事前に計画し、配線が目立たないような施工をします。天井裏に通してダクトに這わせたり、天井に直接固定する方法もあります。

b.点吊り金具を付ける

設置場所が決まったら、次に点吊り金具を天井に取り付けます。

金具の取り付け
専用の点吊り金具を天井にしっかりと固定します。
取り付ける際には、水平器を使って金具が水平になるように注意します。金具がしっかりと固定されていることを確認したら、プロジェクターを取り付ける準備が整います。

c.プロジェクターを設置する

金具が設置できたら、プロジェクターを取り付けます。

プロジェクターの取り付け

プロジェクターを点吊り金具に取り付けます。取り付ける際には、プロジェクターの向きや角度を調整し、スクリーンに対して正確に投影できるようにします。金具がしっかりと固定されていることを再確認します。

d.プロジェクターをテストする

プロジェクターが正しく取り付けられたら、実際に投影をテストします。

映像の確認

プロジェクターの電源を入れ、映像ソースを接続して投影します。スクリーンに映像が映し出されることを確認し、フォーカスやズームを調整してクリアな映像を得ます。また、投影された映像の位置が正確かどうかも確認し、必要に応じてプロジェクターの向きを微調整します。

3-2家庭にてDIYで実施する場合の注意点

オフィスだけでなく、家庭でもプロジェクターを天吊りすることができますが、いくつかの相違点と注意点があります。

DIYのリスク:家庭でDIYを行う場合、天井の強度や配線の問題を自己責任で確認する必要があります。プロジェクターが落下するリスクを避けるためにも、しっかりとした下地を確認し、安全に設置することが重要です。

専門家の助言:必要に応じて専門家に相談することをお勧めします。特に天井の強度や配線に不安がある場合は、プロの助けを借りることで安全かつ確実に設置できます。

4. プロジェクター設置はプロに頼むべき

これまで述べた通り、プロジェクターの設置は、多くの場合、専門的な知識や技術が必要です。そのため、プロに頼むことを強くお勧めします。以下に、プロに頼むべき理由を詳しく説明します。

4-1プロの技術と経験

プロの設置業者は、様々な種類のプロジェクターや設置環境に対応するための豊富な経験と知識を持っています。
専門業者に依頼することで最適な設置場所を選び、正確な距離や角度を計算し、プロジェクターを正確に設置することができます。これにより、映像の質が向上し、視聴者に最高の体験を提供できます。

4-2安全性の確保

次に、安全性の確保です。プロジェクターは高価な機器であり、かつ結構重量があります。天井に設置する場合、落下して壊れてしまったり人が怪我をしてしまうリスクがあります。
プロの設置業者は、しっかりとした取り付け金具を使用し、天井の強度を確認することで、安全にプロジェクターを設置します。これにより、プロジェクターが落下するリスクを最小限に抑え、使用者や周囲の人々の安全を守ることができます。

4-3時間と手間の節約

さらに時間と手間の節約も挙げられます。プロジェクターの設置は、初心者にとって時間がかかる作業です。設置場所の決定、距離や角度の調整、配線の整理など、多くのステップを経る必要があります。プロに依頼することで、これらの作業を迅速かつ効率的に行ってもらうことができます。

4-4対応力

トラブル時の対応力という点もメリットに挙げられると思います。プロの設置業者は、設置中や設置後に発生する可能性のあるトラブルに対処するための知識とスキルを持っています。映像がうまく投影されない、音が出ない、ネットワーク接続がうまくいかないなどの問題が発生した場合でも、迅速に解決することができます。これにより、安心してプロジェクターを使用することができます。

4-5保証とサポート

最後に、保証とサポートがあります。多くのプロの設置業者は、設置後のサポートや保証を提供しています。設置後に問題が発生した場合でも、迅速に対応してもらえるため、安心して使用できます。また、定期的なメンテナンスやアップグレードの提案も受けることができ、長期的にプロジェクターを最適な状態で使用することができます。

 5. 天吊り事例のあるオフィスにおすすめのプロジェクター

プロがオフィスにオススメする3つのプロジェクターを紹介します。
それぞれの特徴、価格帯、機能、サイズ、重量、ルックスについて詳しく解説します

Panasonic 液晶レーザープロジェクター(PT-CMZ50J)

  • 機能:PT-CMZ50Jは、5200ルーメンの高輝度で、明るい環境でも鮮明な映像を提供します。短焦点プロジェクターと呼ばれるタイプで、プロジェクターと投影面の距離が近くても鮮明に映せる機構を備えています。
  • 解像度:WUXGA(1920 x 1200 ドット)
  • サイズ:495 x160 x 421 mm
  • 重量:9.5 kg

Panasonic 液晶プロジェクター(PT-VMZ71 シリーズ)

  • 機能:明るい場所でも見やすい鮮明な映像投写で、環境にとらわれない高い設置自由度を実現。クラス最小・最軽量*1のコンパクトボディ。
    四隅プラス2点で補正できる「6点補正」機能を新たに搭載。通常のコーナー補正に上下中央2点が加わることで、凹面・凸面上の歪みも補正できます。
  • 解像度:WUXGA(1920 x 1200ドット)
  • サイズ:399 x 348 x 115 mm
  • 重量:7.0 kg

 まとめ

プロジェクターの選び方や設置方法について解説しました。プロジェクター製品もサイズ、機能、明るさ等に差異があるため、機材の購入、並びに天吊り設置工事を行う場合は、専門知識が必要なため、プロに依頼することをお勧めします。