アンプとは何か?オフィスで使いたいお勧めアンプ5選

オフィスの環境構築は業務効率や生産性に関わるため、惜しまずに投資しておきたいと
ころです。インテリアや福利厚生の充実に注力する企業は多いですが、オフィス内の「音
」に関する配慮も重要なポイントとなります。オフィス内BGMはストレス軽減やマスキン
グ効果による秘匿性・集中力向上など、様々なメリットが期待できるからです。
今回はオフィスの音響構築において重要な「アンプ」について詳しく解説していきます

1.アンプという機材について

アンプは「Amplifier」の略称であり、日本語では「増幅器」などと訳されます。スピー
カーから出力される音は、再生機器からの音声信号を基にしたものです。イヤホンやヘッ
ドホンから音を出す分には問題ありませんが、再生機器からの音声信号は出力が小さいた
め比較的大型のスピーカーで音量を確保するには十分とは言えません。そこで再生機器と
スピーカーの間にアンプを挟むことによって音声信号を増幅させて、十分な音量を稼げる
ようにするというのがアンプの主な役割です。
一口にアンプと言ってもその種類は様々ですが、オフィスへ導入されるのはPAアンプと呼
ばれるタイプです。PAとは「Public Address」の略称で、日本語に訳すと「大衆伝達」と
なります。多くの人に心地よい音を届けることを目的にしたもの全般がPAアンプです
。PAアンプにおいては基本となる「パワーアンプ」と「プリアンプ」の違いを押さえてお
きましょう。
パワーアンプは音声信号をスピーカー利用に適したレベルまで増幅させるという、アンプ
本来の役割に特化したタイプの機器です。プリアンプはパワーアンプの前段(Pre)に接続さ
れるもので、再生機器から入力された音源の音質やスピーカー出力する際の左右の音量バ
ランスを調整します。複数の再生機器を接続している場合は、入力切替によって出力する
信号を選ぶことも可能です。プリアンプが「調整用」、パワーアンプが「増幅用」と覚え
ておきましょう。また、パワーアンプとプリアンプが一体型になった機器を「プリメイン
アンプ」と呼びます。それぞれ個別に用意すれば機能の細分化や音質向上といったメリッ
トがあり、プリメインアンプは設備のコンパクト化やコスト削減に効果的です。

スピーカーとの違い

オーディオ初心者の方からよく「アンプとスピーカーってどう違うの?」とご質問いただきます。

アンプの役割は前述の通り音声信号を増幅させることであり、単体で音を出せる機材ではありません。
アンプで増幅させた信号がスピーカーを駆動させることで、初めて音となって人間の耳で聞くことができるのです。

家電量販店等では、プレーヤー、アンプ、スピーカーが一体となったミニコンポ等が人気であるため、スピーカーと混同されやすいようです。

2.一般的なアンプの種類

アンプも用途に合わせて様々なものがあります。ここではそれぞれのアンプについて紹介
します。

ステレオアンプ

単にオーディオ用のアンプと言うときは、ステレオアンプを意味するケースが多いです。
ステレオアンプでは左右2chにそれぞれ音声出力して音像を構成します。

4chアンプ

4chアンプはシェアを伸ばしているタイプで、左右それぞれの他に2系統のスピーカーへ音
声を出力・調整することができます。BGMの他にマイクの音声やモニタースピーカーの音
をコントロールできるため、社内でイベントやセミナーを開催する際に便利です。

ハイインピーダンスアンプ

ハイインピーダンスアンプは高い電気抵抗になっているため、少ない電力で多くのスピー
カーを鳴らすことができます。長距離ケーブルで接続しても信号ロスが少ないため、広い
オフィスでの使用に適していると言えるでしょう。

デジタルパワーアンプ

再生機器から入力されたアナログ信号をデジタル変換した上で増幅し、再度アナログに変
換して出力するのがデジタルパワーアンプです。信号を効率良く増幅できるため発熱が少
なく、デバイス自体も比較的小型であるというメリットがあります。その反面、デジタル
由来のノイズがデメリットとされておりオーディオ好きの中では音質の好みも分かれると
ころです。

3.オフィスの使用におすすめしたいアンプ

【Roland】SRA-5050A(ミキシングアンプ)

国内有数の楽器メーカーであるRolandがリリースするSRA-5050Aは、シンプルなユーザー
インターフェースに仕上がっているのでオーディオにあまり馴染みがない人でも簡単に扱
うことができます。ステレオ2chの他にもマイク入力が備わっているため、簡易的なイベ
ントにも対応可能です。実売価格は税込み44,000円程度なので導入しやすく、まずは手軽
にオフィスの音響システムを構築したいという人におすすめと言えます。

【BOSE】2705MX(ミキシングアンプ)

2705MXは高品質なオーディオ製品で知られるBOSEのミキシングアンプです。コンパク
トで軽量な筐体ながらも2系統のマイクや外部エフェクターの入出力も備えているため、
多目的に使用できます。普段はオフィスで使用して、外部でのイベントに持ち出すといっ
た使い方もできるでしょう。終売となっているため基本的には中古品になりますが、実売
は税込み3万円弱と手を伸ばしやすい価格帯です。様々な場所で柔軟にアンプを活用した
い人におすすめできます。

【YAMAHA】P3500S(パワーアンプ)

本格的なパワーアンプを導入したい場合は、YAMAHAのP3500Sをチェックしてみてくだ
さい。音楽業界で長い歴史を誇るYAMAHAらしい質実剛健な仕様で、ミドルクラスながら
も上級モデルに引けを取らないクリアな音質と信頼性の高いスペックを誇ります。生産完
了品で中古の相場は税込み4万円弱といったところです。プリアンプとパワーアンプを個
別に用意して音質にこだわりたい人に向いています。

【TOA】A-1806(ハイインピーダンスアンプ)

自治体・学校・病院など生活に身近な場所での音響を幅広く手がけるTOAのA-1806は、業

務に便利な機能が詰まった実用的なハイインピーダンスアンプです。特徴的なのは「チャ
イム機能」と電話ページングの「優先機能」で、社内や店内で頻繁に従業員を呼び出す場
合におすすめとなっています。2023年11月時点で生産完了となっており、中古品の相場は
税込み3~5万円前後です。” 高品質なアンプを導入してオフィスの音響環境を整え
よう オフィス内で耳から入ってくる情報量は少なくありません。素のままの状態より
も、高品質なアンプを導入して環境を整えてあげると従業員も快適に仕事できるようにな
るでしょう。アンプの中には拡張性や機能性に長けた製品も多いです。イベントでの音響
構築や従業員呼び出しなど、必要に応じて柔軟に活用できるものを選んでみてください。

4.アンプ関連の専門用語

ここではアンプに関する用語について解説します。

入力端子(XLR・フォン・ステレオミニ・RCA)

入力端子は再生機器とアンプを繋ぐための窓口となります。「XLR端子」は入力側に3つ
の穴、出力側に3つの突起が付いているタイプです。バランス接続と呼ばれる規格に対応
しており、ノイズに強いという特性を持っています。
「フォン端子」は元々電話交換機用に使用されていたものですが、現代ではオーディオ接
続にも幅広く活用される規格です。フォン端子のプラグはモノラル(TS)・ステレオ(TRS)の
2種類があり、モノラルは端子先端に黒い線が1本・ステレオは黒い線が2本刻まれていま
す。オーディオに使用されるのは基本的にステレオ仕様なので覚えておきましょう。TRS
のフォン端子はバランス接続にも対応しています。
フォン端子にはいくつかのサイズが存在し、標準タイプは6.3mm(1/4インチ)のものです。
小型の音楽プレーヤーやパソコンの音声出力端子に搭載されているのは3.5mmのフォン端
子で、これを通称「ステレオミニプラグ」などと呼びます。
「RCA端子」は規格の原型を作り出した企業「Radio Corporation of America」の略称から
名付けられたもので、ステレオ信号は右chが赤・左chが白に色分けされています。比較的
小型であることからピンジャック・ピン端子などと呼ばれることもあるので併せて覚えて
おきましょう。各入力端子の特徴をまとめると以下のようになります。
・XLR:3芯仕様
・フォン:金属製の棒状端子、およびそれを受け入れる穴
・ステレオミニ:フォン端子の小型版
・RCA:紅白で色分けされた小さい端子

出力端子(フォン・スピコン・バインディングポスト)

出力端子はアンプからスピーカーに音声信号を伝達するために用いられます。前述したフ
ォン端子もアンプからの出力に使用されることが多いです。フォン端子は楽器用の接続端
子としても一般的ですが、楽器用のケーブルとスピーカーケーブルでは根本的な仕様が異
なります。楽器用のケーブルを誤ってスピーカーに接続すると故障の原因となるので十分
に注意してください。
「スピコン」はパワーアンプとスピーカーの接続専用に開発された端子で、2芯・4芯・8
芯などのバリエーションがあります。トラブル防止のため、端子を差し込んだ後はコネク
タを回転させた上で爪を引っ掛ける仕様になっているのが特徴です。
「バインディングポスト」は+極が赤・-極が黒に色分けされ、ねじ型の金属支柱とねじ
止めされたキャップから構成されています。元々は計測器と電線を接続するために用いら
れていました。接続に使用されるプラグはバナナプラグと呼ばれるものが一般的ですが

、Y型プラグやピンコネクタなど様々な接続に対応した5wayスタイルも存在するので留意
しておきましょう。各出力端子の違いは以下の通りです。
・フォン:スピーカー接続には専用のものが必要
・スピコン:スピーカー接続に特化、コネクタは事故防止仕様
・バインディングポスト:赤と黒の2色、多種の接続に対応したユニバーサルデザインあ

その他(DSP・2オーム駆動・サブウーファー)

「DSP」は「Digital Signal Processing」の頭文字を取ったもので、デジタル変換した音声信
号を高速処理することが可能です。この技術によって音量制御や音質調整など、アンプに
様々な機能を付帯させることができます。
「2オーム駆動」とはアンプの動作方法の1種で、極めて低いインピーダンスで音声を出力
するものです。
インピーダンスとは交流回路の電気抵抗を表す数値で、数値が低いほど電流が流れやすい
ことを意味します。一般的なアンプは4オームか8オーム駆動のものが多いですが、2オー
ム駆動に対応しているものはノイズを受けにくく音質的に有利という点がメリットです。
ただし電気抵抗が少ないと出力が大きくなるので、対応するスピーカーやセッティング方
法を考慮する必要があります。長距離のケーブルで接続すると信号ロスが大きくスピーカ
ーの接続台数にも制約があるので注意しましょう。
「サブウーファー」とは低音域の再生に特化したスピーカーであり、一般的には
20~100Hzあたりの帯域のみを出力するものを指します。5.1chサラウンドの音響システム
の中で0.1chにあたる部分です。普通のスピーカーではクリアに再生することが難しい帯域
をカバーするため、臨場感のあるサウンドを構築します。ただし、オフィスで流すBGMに
臨場感や低音域の迫力が必要とは限りません。目的や用途に応じて設置の有無を検討する
ことが大切です。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事ではアンプについて詳しく解説を致しました。
音響効果によって店舗でもオフィスでも雰囲気をガラリと変えることができます。
適切な設備を用意することでより快適に過ごすことができるはずです。
AZAのAVシステム販売サービスでは、お客様のご要望をヒアリング、現場の下見をさせて
いただき、最適なカメラを選定してご提案いたします。また、音響、映像に付随する周辺
機器も併せてプランニングさせていただきますので、お気軽にご相談ください。